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投稿日:2017年06月10日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
相続手続きのために用意すべき資料は多くあります。その中でも相続人となる家族に関する書類は必須です。
だれが相続人であるかを把握するためには、戸籍謄本を見れば明確になるはずです。戸籍謄本は相続において必須書類となります。
しかし、嫁いだ女性や婿に行った息子は戸籍から抜かれているのではないでしょうか?それでは、相続手続きにおいて戸籍謄本は何通取得すれば良いのでしょうか。
相続手続きをするためには戸籍謄本の取得は必須です。その戸籍謄本に有効期限はあるのでしょうか。
よく一般的に言われるのは、「取得後3か月以内のもの」だと思います。海外で取得した書類の場合は6か月と定められている場合が多いです。
それでは相続ではどうなのかと言いますと、なんと被相続人の戸籍謄本については有効期限がないのです。相続手続きにおいて何十年前の戸籍謄本を利用しても問題ありません。
ただ、一つ気を付けなければならないことは、被相続人の死後取得したものでなければならないということです。
いくら有効期限がないと言っても、被相続人が生存時に取得したものは、例え1日しか経過していなくても使うことはできないのです。
被相続人の死後に取得された戸籍謄本であればいつのものでも良い理由は単純で、「死後戸籍謄本の記載内容が変わることはない」ことが理由となります。
例え30年前に亡くなった時に取得した戸籍謄本であっても、その内容と今取得した戸籍謄本の内容で異なることは通常ありえません。
ですから、相続手続きにおいては被相続人の死後取得した戸籍謄本であればいつ取得したものでも問題ないのです。
被相続人の残した預金通帳が突然自宅の蔵から発見されることもありますし、不動産の所有権移転登記を長い期間放置している場合もありますので、相続で使わなくなった戸籍謄本は保管しておいた方が良いでしょう。
各相続人の戸籍謄本に関しても、被相続人の死亡時に生存していたことを証明するためのものですから、被相続人の死後取得された戸籍謄本であれば、いつ取得されたものでも相続手続きに使用することができます。
しかし、民間企業に提出を求められた際は独自に期限を設けていることもありますので、個別に確認してください。
相続において戸籍謄本が必要なことは分かりましたが、その戸籍謄本はどのように取得すれば良いのでしょうか。
そもそも、戸籍はどこに保管されているかご存知でしょうか?
戸籍謄本は住民票と異なり、本籍地を管轄する市区町村役場に保管されています。本籍地をわざわざ異動しない限り、ずっと同じ市区町村役場に保管されているのです。
しかし、未婚の方ですと本籍地がいったいどこにあるのか分からないかもしれません。親が転勤族で常に転向していた方だと、親の実家に本籍地が定められている可能性があります。
昔は運転免許証に本籍地が記載されていたので一目瞭然だったのですが、今は個人情報保護の観点から運転免許証に本籍地が記載されなくなったこともあり、分からない、もしくは忘れてしまった方もいるのではないでしょうか。
本籍地を調べるには住民票を取得するのが一番です。住民票取得時に本籍地の記載を希望することにより、住民票に記載してもらえますので、簡単にわかります。
本籍地が判明したら、本籍地を管轄する市区町村に戸籍謄本を請求すれば取得することができます。
本籍地が遠い、平日の日中に市区町村へ戸籍謄本(住民票)を取りに行けない方も多いと思います。そのような方は戸籍謄本(住民票)を郵送で取得するしたり、行政書士に依頼することも可能です。
郵送での取得方法については、たいていは各役所のホームページで必要書類が印刷できるようになっています。
必ずこの書式を使わなければならないわけではありませんので、時々住民票取得のための書式がない役所がありますが、この場合は他の役所の書式を使用しても構いませんし、自分で紙に記載した自作書類でも問題ありません。
請求書の理由に「相続」と記載し、切手の貼った折り返し封筒、取得に必要な定額小為替を同封すれば郵送で取得することができます。
被相続人の戸籍謄本はどのように取得するのかと言いますと、被相続人に関わらず、戸籍に記載されている人とその配偶者、直系尊属、直系卑属は誰でも戸籍謄本を代理で取得することが可能です。
戸籍謄本は日常生活で必要とされることはあまりありませんから、見たことがない方もいらっしゃるかもしれませんので、まずは戸籍謄本にどのような内容が記載されているかをご紹介します。
本籍 氏名 |
○○県○○市・・・ 行政 太郎 |
戸籍事項 戸籍改製 |
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【改正日】平成22年8月1日 【改正事由】平成6年法務省令第51号付則第2条第1項による改製 |
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戸籍に記載されている者 | 【名】太郎 【生年月日】昭和〇年〇月〇日 【配偶者区分】夫 【父】行政 源蔵 【母】行政 花子 【続柄】長男 |
身分事項 出生 |
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【出生日】昭和〇年〇月〇日 【出生地】○○県○○市・・ 【届出日】昭和〇年〇月〇日 【届出人】父 |
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婚姻 | |
【婚姻日】平成〇年〇月〇日 【配偶者氏名】国際奈美恵 【従前戸籍】○○県○○郡○○町・・・ 行政源蔵 |
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死亡 | 【死亡日】平成○○年〇月〇日 【死亡時分】午後5時45分 【死亡地】〇〇県○○市・・・ |
戸籍に記載されている者 | 【名】奈美恵 【生年月日】昭和〇年〇月〇日 【父】国際亜細亜 【母】国際欧州 【続柄】次女 |
身分事項 出生 |
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【出生日】昭和〇年〇月〇日 【出生地】○○県○○市・・ 【届出日】昭和〇年〇月〇日 【届出人】母 |
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婚姻 | |
【婚姻日】平成〇年〇月〇日 【配偶者氏名】行政太郎 【従前戸籍】○○県○○市・・・ 国際亜細亜 |
これが一般的な戸籍謄本となります。子供がいる場合は他に子供の記載があります。
被相続人の子供が生存している場合は、その者が相続人になりますし、既に他界している場合であっても、子供の戸籍謄本を取り寄せ、代襲相続することができる直系卑属がいないかを確認する必要があります。
※代襲相続とは、相続人が既に死亡している場合に、その直系卑属又は直系尊属が相続人の地位を引き継ぐこと
この戸籍謄本の内容で注意していただきたいことは、「平成6年法務省令第51号付則第2条第1項による改製」という文面です。
この法務省令による改製は、戸籍を従来の紙による戸籍謄本を電子化したことによる改製です。
現在役所で戸籍謄本を取得すると紙で受け取ることができますが、これはあくまで電子ファイルとして保存されている戸籍情報を印刷したにすぎません。
戸籍情報を電子化したことによる問題は、現在役所で受け取る戸籍謄本には記載されていない情報があることです。
平成6年以前に出生した方は、戸籍謄本を確認しただけでは出生から死ぬまでを確認することができません。
電子化以前の戸籍情報はどこに行ってしまったのでしょうか?
電子化以前の戸籍情報については、削除されたわけではなく、役所には以前の紙媒体がそのまま残されています(スキャンしたデータで保管している場合も有)。
紙媒体の内容も全て現在の電子化された戸籍謄本に記載すれば良いと思うのですが、量が膨大なので無理なのでしょう。
以前の戸籍情報を知るためには「改製原戸籍謄本」を取得する必要があります。
この改製原戸籍謄本は縦書きで手書きの戸籍謄本です。職員の手書きで作成されているため、少し読みづらいこともあります。すべて解読するには根気が必要な場合もあります。
平成6年以前に出生された方は全員改製減戸籍謄本があるはずですから、相続手続きをする前に忘れずに取得してください。
その他、「除籍謄本」という種類の謄本がありますが、これは結婚により夫(妻)の戸籍に入る前の戸籍謄本であり、この謄本を取得する必要がある方もいらっしゃいます。
例えば、離婚歴がある方でも、戸籍謄本にはその旨が記載されていません。
「バツイチ」という言葉がありますが、これは、もともと離婚後は戸籍の婚姻欄に×が記載されたことに由来します。
しかし、現在の戸籍にはそのような記載はなく、現在の配偶者との記録しか残っていません。
ここで問題になるのが、実は腹違いの子供がいた場合など、本来相続人になるべき人間を見落としてしまうことです。
相続開始から数年後に、他の相続人が判明した時にはすでに相続財産がなくなっており、返還に苦慮することも十分考えられます。
相続における不要なトラブルを避けるために有効な手段は、管轄する役所で戸籍謄本を取得する際に「戸籍謄本」、「除籍謄本」、「改製原戸籍謄本」の3種類を請求されることです。
この3種類を取得することで、被相続人の出生から死亡までがすべて明らかになります。
戸籍謄本は相続において何部取得する必要があるのでしょうか。
実は相続において戸籍謄本が何部取得する必要があるのかは一概に言えず、手続きが必要な預貯金口座の数、不動産の数、自動車の数などによっても変わります。
預貯金については多くの金融機関では「手続きが終わったら戸籍謄本を返してください」とお願いすることにより返還してもらえるようですが、これも金融機関によって対応が異なるため、事前に確認することが必要です。
全ての金融機関に確認し、返還してもらえる金融機関から順に取得すると、少ない戸籍謄本の取得で相続手続きをすることができます。
ただし、時間がかかるというデメリットがあります。相続手続きに長い期間もかけたくありませんから、できれば一度にまとめて請求したいところです。
兄弟姉妹がいる場合の相続について説明する前に、一度誰が相続人になるかを説明いたします。
兄弟姉妹は必ず相続人になるわけではなく、相続の割合から言うと兄弟姉妹が相続人になるケースは多くありません。早とちりをして兄弟姉妹の戸籍謄本を取ってしまわないようにしましょう。
日本は相続人となれる人間の範囲がとても狭く、突然会ったことも聞いたことがない遠い遠い親戚から莫大な資産を相続したなどということはありません。
参考まで、アメリカでは各州により相続人の範囲は異なりますが、従兄弟(従姉妹)も相続人として順位付けがされているそうです。
相続人には誰でもなれるのではなく、民法で定められた人しか相続人になることはできません。
遺言で介護してくれた人やお世話になった人に財産を譲り渡す場合もありますが、それは「遺贈」と呼ばれ、相続とは似て非なるものです。
今回は戸籍謄本取得と関係する相続についてのみ説明いたします。
必ず相続人 | 配偶者 |
第一順位 | 直系卑属(子、孫、ひ孫・・・・) |
第二順位 | 直系尊属(親、祖父母、曾祖父母・・・) |
第三順位 | 兄弟姉妹(その子供まで。兄弟姉妹の孫は代襲相続不可) |
配偶者は必ず相続人となります。その他、第一順位から第三順位までが決められており、第一順位から順に相続人になるように定められています。
例えば、第一順位の者が一人でも生存していれば、原則第二、第三順位の者は相続人になることはできません。
兄弟姉妹は順位が最後になっていますから、被相続人に直系卑属も直系尊属もいない場合に初めて相続人になることができるのです。
兄弟姉妹が他の順位の相続人と異なることは、代襲相続がその子供までに限られていることです。
兄弟姉妹の孫にまで代襲相続させることはできません。
なお、配偶者の場合は代襲相続規定が存在しません。
よって、配偶者の直系尊属(被相続人からすると直系姻族)や兄弟姉妹が相続人となることは絶対にありえません。
前記を踏まえ、兄弟姉妹の戸籍謄本の取得の可否を調べるには、相続第一順位の戸籍謄本を全て取り寄せ、生存者がいないかを確認しなければなりません。
本来であれば戸籍謄本に子供も孫もいないのであれば、第一順位の相続人はいないとして第二順位にすぐ取り掛かりたいところなのですが、配偶者が妊娠している可能性もありますので、注意が必要です。
胎児であればまだ出生届も住民票もなく、まだ公の資料には現れません。
しかし、胎児はまだ出生していなくとも、相続人として相続権があるのです。
もちろん、これは生きて産まれることが条件となり、死産の場合は相続することはできませんが、気を付けるべきポイントとなります。
配偶者が妊娠していないのであれば、第一順位の相続人がいないため、第二順位の戸籍謄本を確認し、全員他界しており代襲相続もないのであれば、第三順位の兄弟姉妹に相続権が回ってきます。
兄弟姉妹が取得すべき戸籍謄本等も他の相続人と変わりませんので、出生から今までを確認することができるすべての戸籍謄本等を取得してください。
戸籍謄本は住民票とは違い、取得が少し面倒です。
しかし、戸籍謄本(及び除籍謄本、改製原戸籍謄本)にはその者の出生から今までが全て記載されており、各相続手続きをするため以外にも、相続において誰が真の相続人となるのかを知るためには重要な資料となります。
必ず被相続人の戸籍を確認し、トラブルのない相続にしましょう。
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