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投稿日:2017年03月11日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
統計データから孤独死を眺めてみると、「男性の方が孤独死になる可能性が高い」「経済的な問題で孤独死になる」といった傾向が見えてきます。
ひと昔前はあまり馴染みのなかったことばですが、「孤独死」という言葉は急激に認知度が上がってきています。
孤独死の件数は年々増えてきており、国や自治体などの機関も社会問題としてとらえています。
原因の究明や対策を検討するに当たって、統計やその他様々なデータが収集され、蓄積されてきています。
これからの日本は、かつて世界中のどの国も経験したことのないような規模の高齢化社会を迎えるとされており、それに伴って孤独死の件数もさらに増加していくでしょう。
今後身の回りで孤独死が起こるのが当たり前な状況となるかも知れません。今回は孤独死をしない、させないために統計やデータをみながら孤独死について考えてみましょう。
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孤独死とは、一般的にはご高齢の方がご自宅で誰にも看取られずに亡くなってしまうことと言われています。
しかし、孤独死の定義として明確に決まっているものはなく、各自治体や機関でそれぞれ定義しているのが現状です。
孤独死の定義自体があいまいなものなので、その統計データも機関ごとに微妙に違っていることが多いです。そのため、孤独死を統計から分析し考察するためには、様々なデータを見比べなければなりません。
孤独死は単身の高齢者が孤独に亡くなるものだという単純なものではなく、社会や経済面、健康面、個人の性格など様々な原因が絡み合って起こるものです。
少し大変ではありますが、一つひとつ情報を整理しながらみていきましょう。
孤独死を統計的に見るために、まずは孤独死が年間でどれくらい行っているのか?を見ていきましょう。
[caption id="attachment_142" align="alignnone" width="640"] クリックして拡大[/caption]上の表は、東京23区内で孤独死した方の件数です。東京23区内だけに限定した場合でも、2015年には2891名の方が孤独死されていることになります。
たまに減少する年度はあるものの、ずっと増加傾向であり、これからますます孤独死で亡くなってしまう方が出てくると考えられています。
先ほどもお話ししましたが、孤独死が起こる原因は本当に多くあり、複雑な問題です。
孤独死は国や自治体にとって急務を要する大きな問題であり、原因を探るための様々なデータが取られています。
孤独死の件数の増加は、歳を重ねて身体が弱った高齢者の数が増えてきているからという単純なものではありません。
それでは、孤独死はなぜ増えてきているのか、孤独死に関しての統計を参照しながら、原因について考えていきましょう。
孤独死の原因のひとつとして、一人暮らしであることが挙げられます。
まずは高齢者の世帯数はどれくらいあるのかを把握しておきましょう。
[caption id="attachment_520" align="alignnone" width="744"] クリックして拡大[/caption]この表からわかるように、2015年時点で一人暮らしをしている65歳以上の高齢者は約600万人に上ります。
高齢者がいる世帯のうち、3分の1は一人暮らしをしている方となります。そして、2025年には一人暮らしの高齢者が約700万人に増える見込みとなっており、それに伴って孤独死の件数もますます増えていくことでしょう。
人づきあいや社会との関わりの少なさが原因で孤独死は起こりやすくなります。
ご自宅で倒れた際の発見が遅れてしまい、救急処置があれば助かったであろうと言われるケースも多いようです。
まずは、60歳以上の高齢者はどれくらい人と関わっているのかについてみてみましょう。
[caption id="attachment_1180" align="alignnone" width="925"] クリックして拡大[/caption]60歳以上の一人暮らしの高齢者で毎日会話(電話やEメールを含む)をする方は男性では71.2%、女性では78%となっています。
そのうち、2~3日に1回の頻度の方は男性では17.5%、女性では13.4%です。1週間に1回かそれ未満で誰とも会話をしない方は、男性では11.3%、女性では8.6%となります。
[caption id="attachment_1181" align="alignnone" width="845"] クリックして拡大[/caption]また、困ったときに頼れる人がいない人の割合も一人暮らしの60歳以上の男性は20%、女性は8.5%となっています。
以上から、全体的に男性の方が会話をする頻度が低く、困ったときに頼れる人がいないケースが多いことが分かります。
孤独死は特に一人暮らしの高齢男性に起こりやすいと言われていますが、この傾向が原因の一つとなっているのかも知れません。
65歳以上で一人暮らしをしている方には経済的な問題を抱えている方もいます。
世帯の種類 | 2012年 | 2013年 | 2014年 |
---|---|---|---|
全世帯(万円) | 537.2 | 528.9 | 541.9 |
高齢者世帯(万円) | 309.1 | 300.5 | 297.3 |
厚生労働省の資料によれば、2015年の全世帯の平均所得金額は541.9万円となっています。それに対し、65歳以上の高齢者世帯では297.3万円です。
全国消費実態調査 | 国民生活基礎調査 | ||
---|---|---|---|
世帯主年齢別 | 30歳未満 | 15.6 | 27.8 |
30〜49歳 | 7.7 | 14.4 | |
50〜64歳 | 9.6 | 14.2 | |
65歳以上 | 13.7 | 18.0 |
年代別の相対的貧困率も併せてみてみましょう。
相対的貧困率とは、一定基準を下回る可処分所得の方の割合で、2012年の国民生活基礎調査では122万円と定められています。
65歳以上の世帯では、相対的貧困率が18%となっており、約5世帯に1世帯が年間122万円以下で生活していることになります。
このような経済的な問題により、社会人サークルへの参加や、通院にかける費用が捻出できず、引きこもりがちになったり健康面の問題も出やすくなるのかもしれません。
大規模災害後の仮設住宅生活も孤独死の一因となります。東日本大震災後の孤独死の統計が朝日新聞社から発表されています。
震災が発生した2011年の孤独死者数が16人、12年が38人、13年が41人、14年が44人、15年が51人で計190名となっており、年々増加しています。
その主な原因として考えられているのが、仮設住宅に住んでいる方の高齢化と、近所付き合いの希薄化です。
震災前は地域のなかの人付き合いで自然と見守りができていたのが、仮設住宅に移ることで人の繋がりが無くなってしまったことが孤独死の問題に発展してしまったと考えられています。
人との関わりの少なさが孤独死を引き起こす原因となることが分かる貴重な統計データです。
孤独死は高齢者に起こるものだというイメージが強いですよね。しかし、近年「20代の孤独死」「50代の孤独死」が問題となっています。
なぜ若年層である20代、働き盛りである50代に孤独死が起こってしまうのでしょうか。統計データを元に考えていきましょう。
20代・50代の孤独死者数のついての統計をみていきましょう。
男性 | 女性 | |||
単身世帯 | 複数世帯 | 単身世帯 | 複数世帯 | |
総数 | 2,350人 | 1,447人 | 1,033人 | 1,075人 |
15歳未満 | 0人 | 11人 | 0人 | 9人 |
15〜19歳 | 2人 | 9人 | 3人 | 5人 |
20〜24歳 | 25人 | 15人 | 18人 | 7人 |
25〜29歳 | 50人 | 17人 | 13人 | 16人 |
30〜34歳 | 49人 | 28人 | 22人 | 20人 |
35歳〜39歳 | 63人 | 39人 | 11人 | 27人 |
40〜44歳 | 93人 | 44人 | 11人 | 19人 |
45〜49歳 | 113人 | 52人 | 22人 | 28人 |
50〜54歳 | 192人 | 75人 | 31人 | 36人 |
55〜59歳 | 323人 | 110人 | 45人 | 61人 |
60〜64歳 | 404人 | 132人 | 56人 | 64人 |
65〜69歳 | 351人 | 143人 | 96人 | 74人 |
70〜74歳 | 278人 | 179人 | 157人 | 112人 |
75〜79歳 | 190人 | 189人 | 189人 | 150人 |
80〜84歳 | 112人 | 194人 | 201人 | 172人 |
85歳以上 | 105人 | 210人 | 158人 | 275人 |
上の表は2005年のデータということで少し古いですが、東京都23区における年代別の孤独死者数です。
孤独死で亡くなった一人暮らしの20代男女は106名、50代男女は591名となっています。
近年未婚率の上昇も問題となってきているため、それに伴い今後の孤独死者数の増加も懸念されます。
20代の孤独死の原因について統計から考えてみましょう。
2014年のデータによると、20~24歳の失業率は6.3%、25~29歳は5.2%となっています。
そして、純粋な20代のデータではありませんが、15~34歳までの非正規雇用者比率のデータが以下になります。
男性 | 女性 | 全体 | |
---|---|---|---|
非正規雇用者比率 | 21.8% | 56.7% | 37.4% |
15~34歳の男性の非正規雇用者比率は21.8%、女性は56.7%です。
女性の比率が高いのは結婚に伴ってパートタイムで働く方の割合が多いからだと言われています。
この就業率の低さや非正規雇用者比率の高さが、20代の孤独死の原因だと言われています。定職についていないことで、下記のような問題が見えてきます。
収入が安定しないことで、食事や医療など健康面への配慮ができず体調を崩しやすくなります。
また、正社員だと家で倒れた場合に会社の対応がありますが、アルバイトやパートは会社との繋がりも希薄なので、無断欠勤をしても放置されやすい傾向にあります。
そういった要素が絡み合って孤独死に繋がるのではないでしょうか。
50代の孤独死の原因としては、健康面の問題が大きいと言われています。
2010年のデータで、男性で糖尿病といわれたことのある人は30代で4.3%、40代で8.0%、50代で15.1%となっています。
年齢を重ねるごとに上昇する傾向にあり、10歳ごとに約2倍ずつ増加しています。
また、糖尿病だけでなくその他の病気のリスクも増加傾向にあります。
働き盛りと言われる50代ですが、一人暮らしで健康面に問題が出てきた場合、孤独死のリスクが急激に高くなります。
そういった背景があり、50代を中心とした中年層の孤独死も注目されています。
統計データを踏まえて孤独死の原因ついてお話ししてきました。
今まで挙げた原因を今一度まとめてみると、下記の3点にまとめられます。
しかし、孤独死が起きてしまう原因は、決して単純なものではなく、この3つだけではありません。
他にも家族との関係や個人の性格的な要因などを含めた様々な原因があるとされています。今回はこの3つの原因を中心に、孤独死を防ぐためのサービスや防止策をご紹介します。
安否確認サービスとは、高齢者の孤独死を防止するために定期的に状態を確認するサービスです。
具体的には、セキュリティ業者などが行う人感センサーの設置やお弁当の宅配サービス、各自治体が行う見守り強化サービスなどがあります。
また、電話での安否確認コールで生活相談サービスがついているものなど、各企業によっていろいろな内容があります。
自治体のサービスは無料で受け付けてくれるので、一度相談されると良いでしょう。
企業のサービスも比較的低価格なものもあるのでぜひご検討してみて下さい。
老人ホームにも様々な形態があり、サービスが充実した有料老人ホームから入居費の安い軽費老人ホームなどの選択肢があります。
また、グループホームといった高齢者の集団生活を支援する施設もあります。
経済面や身体の状態を考慮しながら、最適な施設を探してみましょう。
ただし特別養護老人ホームや軽費老人ホームは入所希望者が多いため、長ければ数年ほど入所待ちをしないといけないこともあります。検討されている方はお早めに入所相談をしましょう。
社会人サークルや習い事のなかで人との関わりを持つことで新しい友人関係が形成されます。
特に男性の場合は、会社での友人関係しか築いていない場合も多く退職後に引きこもりがちになるそうです。
社会との接点を作るきっかけとして社会人サークルや習い事はおすすめです。
シルバー人材派遣センターは収入を得ることではなく、仕事を通して社会のなかでの役割を得ることを目的としたサービスです。
駐輪場の管理や屋外清掃など、身体を動かす作業もあるので健康面にも良い効果がありそうです。
派遣先で知人ができてそこから長い付き合いをすることもあるようで、社会との接点をつくるには良い機会となります。
訪問介護サービスや訪問リハビリといった事業があります。
ご自宅に定期的に訪問してくれるサービスなので、安否確認はもちろん身体機能や健康状態の管理も行ってくれます。身体の状態に応じて介護保険が適用され、低価格で利用できるサービスです。
サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者の安否確認と生活相談を行う賃貸住宅です。
初期費用や月額費用は運営している会社によって様々で、それぞれのサービス内容も大きく違います。
孤独死を警戒して入居できない一般の賃貸住宅もあるようですが、サービス付き高齢者向け住宅はその点は問題ありません。
しかし、サービス内容や費用によって、人気が高く入居待ちしなければならないところもあるようなので、ご興味のある方は早めに探しておくと良いでしょう。
孤独死に関しての様々な統計データを通して、孤独死の原因や対策方法をご説明しました。
孤独死は社会問題なので、国や自治体の対策が必要となってきます。
しかし、個人を取り巻く人間関係の改善やサービスを活用することで防止できることもあります。
とても難しい問題ですが、孤独死について考えるに当たって今回提示した統計データがお役に立つことを願っています。
記事を読んで、孤独死についてもっと知りたい!という方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。
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