デジタル遺産の管理方法を分かりやすく解説しています
投稿日:2017年06月29日 更新日:2022年06月07日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
デジタル遺産管理について、遺族が様々なトラブルに見舞われるといった場合があることをご存知でしょうか?デジタル遺産とは、スマートフォンや、パソコンに入っている使用者の個人的なデータの事を言います。
今では誰もがスマートフォンやパソコンを操り、様々な情報を得ることが出来、デジタル機器は生活をしていく上で、なくてはならない存在になっています。今や若者だけではなく、沢山の高齢者達も使用しています。
写真やメール、友人知人らの連絡先、ネットバンクのパスワード等、セキュリティが強化されている昨今は使用者が亡くなった後遺族が対応できず、そのまま放置してしまうと、様々なトラブルに巻き込まれてしまうケースが多発しているのです。
どのようなトラブルが起こるのか、どのように対処すればよいのか、今話題のデジタル遺産管理について、徹底的に学んでいきましょう。
デジタル遺産によって遺族に巻き起こるトラブルについてお話していきます。
デジタル遺産とは主に下記のものがあげられます。
スマートフォンやパソコンの中身は、そもそも自分だけが所有するもので、誰もが見られるものではありません。
また、セキュリティ強化が重要視され、厳重なパスワードによって守られているので、例え家族でもパスワードを教え合ったりはしません。
実際にトラブルとなるのは、お金関係の物と、故人の趣味嗜好によるものが多いようです。
ではどのようなトラブルがあるのでしょうか?
パスワードがわからないので、スマートフォンやパソコンが開けず、確認作業に手間がかかります。暗証番号は例え家族でも教えてもえない場合が多いので、永遠に中身を見ることが出来なくなります。
故人が生前写真を撮りためていたり、どんな友人らと交流していたのか等、見ることができません。
故人がインターネットの口座を持っていたり、株売買の取引をネット上で行っていたりした場合、家族が知り得なかった資産や負債が発生していることになります。前々から家族に話していれば問題はありませんが、何も話していなかった場合は、そのまま放置されてしまう事になります。
特にFXは比較的安全な取引と言われているものの、予想外の市場の暴落もあり得ない事ではないのです。この場合、知らないところで大損失を招いてしまい、ある日急に追加証拠金を請求されることがあるかもしれません。
また、逆に口座に資産があった場合、残ったまま年月が経過してしまい、気が付いた時にまたそこで相続をし直さなければいけなくなります。
ブログや、IDを長い間放置しておくと、アカウントが乗っ取られ、不正に利用されてしまう場合があります。
ブログやSNS等に、故人になりすましウソの情報を発信したり、詐欺まがいの誇大広告が大量に貼り付けられたりして、交流していた人達に悪影響を及ぼすことがあります。
故人の趣味等で課金が生じる有料の会員サイトや、会費等を支払っている場合、解約をしなければ、知らないところで、ずっと引き落とされ続けていく事になります。
引き落としに使っていた銀行口座やクレジットカードを解約した数カ月後に請求書が送られてきて気づくという事が多いようです。
今まではデジタル遺産を知らなかったがゆえに生じるトラブルついて触れてきましたが、逆に中身のデータを知ってしまった為に、家族に不快な思いをさせたり、傷つけてしまったりする事があります。
例えば、見知らぬ女性と旅行に行っていた画像が納められていたというケースもあります。亡くなった夫が実は浮気をしていたと、デジタル遺産からわかってしまう悲惨なケースもあるのです。
デジタル遺産となり得る情報管理についてどのような対策方法があるか問われ始めています。様々な不正から逃れるためにも、セキュリティの強化が叫ばれていますが、そうなればそうなるほど、持ち主の死後のデジタル遺産の扱いが厄介になってきてしまいます。
故人が遺していった写真や画像があるのなら、故人の生きた証として見たいと思う遺族もいらっしゃるでしょう。しかしながら、IDやパスワードがわからなければ、途方に暮れてしまうでしょう。
また、出てきたところで、膨大な記録の画像や日記などの個人情報のデジタル遺産の管理に思い悩んでしまう場合もあります。このような問題を家族に残さない為にも、インターネット関連の終活の必要性が叫ばれているのです。
ここでは様々なトラブルに巻き込まれない為の対処法と、管理方法について学んでいきます。
パソコンやスマートフォン等デジタル機器を頻繁に使用し、生活の一部となりつつある人は、情報を一つ一つ整理して、エンディングノート等にまとめておくことが大切です。
特に資産に係るものについては、後々家族が困らないように対処しておくことが必要です。銀行口座、株取引等を行っている場合、口座に入るパスワードをノートに書いておきましょう。
SNSやブログを開設している場合も同様にパスワードを書いておきましょう。有料サイトの会員になっている場合は、内容と、引き落とし金額と引き落とし日、また、解約方法等を書いておくとよいでしょう。
趣味で撮っている画像や動画等について、家族に見られても良い物と、見られたくない物は、ファイルに分けておきましょう。見られたくないファイルは思い切って削除してしまいましょう。
家族がサポートを業者に頼んだ場合、家族以外の他人の目にもさらされることになってしまいます。また、それを見ることによって家族を傷つけてしまうような物も思い切って削除しておきましょう。
本人にとっては、秘密に趣味として誰にも迷惑をかけずにやっていたことも、それを見ることによって不快感や嫌悪感を与えてしまう事もあるのです。
見られたら困る物は自分なりに整理をして、最後まで見られることが無いように管理しましょう。記入したノートは、あまり目に触れない場所に保管しておきましょう。
携帯大手三社に聞いた所、スマートフォン、携帯電話のパスワードがわからずロックがかかっている場合は、残念ながらロックの解除の対応はできないということです。本人ですら教えてもらう事ができません。
ただし、機種によっては他のパスワードを使うことでロック解除ができるものがあります。また日記やメモに残されているパスワードから解除をすることは可能です。
しかし、どうしてもロック解除ができないスマートフォンは、初期化するしかないのです。初期化した場合、そのスマートフォンは、誰かが使用することはできますが、故人が入れていた情報は全て消されてしまいます。
エンディングノートにスマートフォンのパスワードも書いておきましょう。今や、パソコンよりスマートフォンで全て管理している場合もあるので、パソコン同様に常日頃から、データを整理、バックアップして管理しておくことが大切です。
デジタル遺産の管理に問題があって困ったときの対処方法について考えてみましょう。
パソコンやスマートフォンに数々の情報を残し、生前の内に特に家族に何も知らせることなく亡くなってしまった場合、トラブルにならない為にも遺族は早急に対処が必要です。
故人がデジタル機器を使用していたか探してください。スマートフォン、携帯電話、タブレット、パソコン、CDーROMや、USB等を探します。
インターネットバンキングの等の口座開設時の書類や、ワンデーパスワード等や、FX等の取引書類がないか探してみましょう。
例えパソコンに入れたとしても、SNSやブログを見るには、再びアカウントやパスワードが必要になってくるので、その先にいけないものは、一覧にしておきましょう。
履歴やお気に入りに入れているサイト等からも、デジタル遺産となりうる手がかりを探しておきましょう。
パスワードがわからない場合は、やみくもに入力してみるのはやめましょう。ロックがかかってしまい、二度と開けられなくなる可能性があります。
画像や、動画等データの移行が出来るものは、USBや、CD-ROMに移行して保存しておきましょう。
有料サイト等、わかるものだけでも解約の連絡をしておきます。何もしなければ、会費等を支払い続けることになってしまいます。
ネットバンキングにも連絡をして解約の手続きをしましょう。残高の引き出しには、相続人の確認書類等の必要書類があるので、確認しておきましょう。
スマートフォンは、契約したショップで解約の手続きをする際に、初期化してもらいましょう。この場合、故人のデータは全て消されてしまいます。
初期化したスマートフォンは継承して使用することは可能です。解約手続きには、スマートフォンの持ち主が死亡していることが証明できる書類が必要になってくるので、あらかじめ確認しておきましょう。
デジタル遺産の問題は、様々なメディアでも話題になっていることから、デジタル遺品管理の専門的なサポートを行う会社もネットで多数見かけるようになりました。
日本PC協会では、パスワードがわからなくてパソコン自体に入れない場合等、2万円位の料金で自宅に訪問して、パスワードを解除してくれるサービスを行っています。他にデータの取り出しや、削除等も依頼できます。
遺族だけではどうしようもない場合は、専門家に依頼してサポートしてもらうしかありません。
但し、中には不正に個人情報を盗んだり、弱みに付け込んで、高額なサポート料金を請求してくるトラブルに見舞われてしまうといったケースも聞くので、サポート業者は慎重に選びましょう。
デジタル遺産の管理方法について学びました。
デジタル遺産によって後々家族がトラブルに見舞われない為にも、生前の内にデジタル遺産になりうるデータは整理、管理し、家族がデジタル遺産管理に困らないように、終活としてデジタル遺産の管理をしておくことをお勧めします。
人間いつ死ぬかわかりません。高齢だからとかこだわらず、誰にも起こりうることとして、デジタル遺産管理をしておきましょう。
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