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投稿日:2017年07月01日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
高齢化が進む中、高齢者の独居率が増える一方の今、すでに孤独死は社会問題です。
孤独死増加の原因は何なのか、防ぐための対策はあるのか、もし親族が孤独死したらどうしたらいいのかについてお伝えします。
「孤独死」という言葉は、社会の高齢化や核家族化が一気に進んだ1970年から1980年頃にかけてマスメディアから登場し、その発生件数の増加に伴って、近年認知度を増してきました。
「孤独死」については法的に明確な定義はないものの、東京都監察医務院では「異常死の内、自宅で死亡した一人暮らしの人」を孤独死、厚生労働省では「社会から孤立した結果、死後長時間放置された事例」を孤立死としています。
もちろん、孤独死は高齢者に限ったものではありませんが、65歳以上の孤独死が半数以上を占めているのが現状です。
東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京都23区内における65歳以上の一人暮らしの人の自宅での死亡者数は、平成16年では1,669人でした。
平成26年には2,891人になり、10年で約1.7倍にも増加しています。
かつて大家族で暮らすのが当たり前だった時代、高齢者が一人暮らしする理由といえば、配偶者との死別や子供が仕事のために遠方に住んでいて同居できないことなどが主でした。
もちろん、今の時代もそのような理由で一人暮らしている高齢者もいます。
近年では婚歴がなかったり離婚したり、子供がいなかったり、子どもがいても気を使いたくないので同居しないなど、理由も多様化してきています。
平成27年の国勢調査によると、全国の世帯数に占める単身世帯の割合は、約34.5%となっています。実に、3世帯に1世帯が単身世帯という事です。
また、総務省統計局によると65歳以上の高齢者人口は、平成27年9月15日現在推計3,384万人、総人口に占める割合は26.7%となっています。
孤独死する可能性が一番高いのは高齢者で一人暮らししているというケースですが、さらに他にも傾向があるようです。
男性の場合、人間関係の基盤が職場にあるという場合が多く、退職をきっかけに社会との繋がりが薄れてしまう傾向にあります。
また、女性のような近所づきあいもないため、何日も姿が見えなくても気づかれないということも考えられます。実際に、男性の孤独死の割合は女性の2倍とも言われています。
仕事をしているときならば、無断欠勤が続けば上司や同僚が何らかの対応をしてくれるでしょう。ですが、無職であればそれは望めません。だからこそ定年退職後が危険なのです。
趣味などを通じて定期的に連絡を取り合う仲間がいないということは、さらに孤立は深まると言えます。
賃貸アパートやマンションなどで暮らしている場合は、隣人との交流を持つ機会も少なく、持ち家で暮らしている場合に比べて近所づきあいが少ないことが考えられます。
また、賃貸住宅の場合は自治会に所属しないことが多いので、地域のコミュニティに属することがないことがほとんどです。
自治会に所属しないと回覧板も回らないので、つまり「回覧板を持って行ったけれど留守が続いていておかしい」と気づかれることがないということになります。
平成24年の内閣府意識調査によると「孤独死を身近な問題と感じているか」という問いに対し、「とても感じる」「まあ感じる」と回答した60歳以上の割合は、全体では17.3%ですが、単身世帯では45.4%でした。やはり、単身世帯ほど孤独死に不安を感じているのです。
では、社会問題化する孤独死について各自治体はどのような対策をしているでしょうか。いくつか例を挙げてみましょう。
県内すべての世帯を対象に、県や市町村、民児協、警察、民間業者、県民全体による見守りを行うとして「とちまる見守りネット」という県単位の大きなネットワークを構築しています。
ガス、水道、電気、新聞などの事業者との協定を締結して、事業者の事業を通じて、異変を感じたときの連絡や支援体制を確保しています。
一人暮らしや高齢者のみ世帯などの要援護者を把握し、台帳や「要援護者マップ」を作成して情報を共有した上で見守り活動を行っています。
NPO法人と協力して「ほっと安心カフェ事業」を行っています。このカフェの周辺は、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が多い地域のため、カフェを通して人と人のつながりを生み出し、安心して暮らせる地域づくりを進めていくことを目的に設立されました。
カフェでは、地域の高齢者の方等が気軽に立ち寄って、お茶を飲みながら参加者同士で情報交換をしたり、不安な事はスタッフに相談することもできます。
もちろん、その他にも全国の自治体でそれぞれの対策を構築しています。
孤独死を防ぐために自分でできることとして、まずは自分の存在を知っていてもらうことが重要です。
深いご近所づきあいまではしなくても、挨拶や世間話など、姿が見えない時に気にかけてもらえるきっかけを作りましょう。
また、体が自由なうちに地域のコミュニティやボランティアに参加したり、趣味の仲間を作るなど、積極的に人との定期的な交流を作ることも大切です。
最近では、見守り系のアプリも増えてきています。
平成26年に内閣府が行った「高齢者の日常生活に関する意識調査」によると、インターネットやスマートフォンなどの情報端末を普段の生活で利用しているかについて、「積極的に利用している」と「たまに利用している」の合計は26.0%となっています。
4人に1人ですので、若い世代に比べれば決して多い数字ではありません。
費用や操作方法に抵抗がある高齢者が多いためだと思いますが、スマートホンやタブレットを持つことで親族や友人とのコミュニケーションが増え、まめに近況を伝えることで気にかけてもらうチャンスが増えるでしょう。
万が一の時は見守り系アプリを使って、いち早く助けを呼ぶこともできますので、積極的にスマートホンやタブレットの操作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
セコムやALSOK、東京ガスや象印マホービン等、各社本来の事業内容を生かしたサービスも提供されています。
例えば、象印マホービンの場合、「安否確認サービス」といって、無線通信機を内蔵した電気ポットを使うと離れた家族に通知されるになっていますので、スマートホンやタブレットの操作は難しいと思う方でも、これなら簡単かと思います。
万が一、親族が孤独死した場合を考えてみましょう。
清掃業の中に「特殊清掃業」というジャンルがあることをご存知でしょうか?
特殊清掃業者は、主に事件や自殺、孤独死等の現場の清掃を行います。
例えば、親族が孤独死したとして、辛く悲しい心境の中で、その部屋の清掃を自分で行うことは不可能に近いと言えます。
それは、辛くて悲しいからという理由だけではありません。ご遺体が発見されるまでの日数にもよりますが、体液による異臭や腐乱による虫の発生など、普通の暮らしの中には存在しない程の耐え難い環境での作業が必要となる場合があるからです。
人間の体は、死亡後にそのまま放置されるとどうなるのでしょうか。
徐々に表皮が腐りはじめ、少しずつ体液が漏れ始めます。室温や密室性などの状況にもよりますが、夏ならばたった1日、冬ならば1~3週間で腐敗が始まると言われています。
人間の体は、水分だけでなく脂肪分も含まれているため、ご遺体が腐敗していく中で水と脂の混ざった液体が浸み出してくるそうです。
暑い日が続く夏に、あるアパートの1室で孤独死したご遺体が、5日後にアパート住民の異臭騒ぎで発見されました。ドロドロの体液は布団を突き抜けてフローリングをふやかし、そのフローリングが波打つほどの状態だったそうです。
この様な想像を絶する状態は、とても一般の掃除用具で清掃できるはずもありません。
また、耐え難い状況を我慢すれば何とかなるというわけでもありません。
清掃に使う洗剤は、使い方を誤れば有毒ガスが発生して大変危険です。
また、もしもご遺体が何らかの感染症患者だった場合、不用意に体液に触れれば感染する可能性もありますし、部屋に落ちている注射針を踏んで感染することも考えられます。
感染症のリスクを回避する意味でも、専門の知識を持った特殊清掃業者に依頼した方がよいと言えます。
では、特殊清掃の作業内容について、基本的な流れを見ていきましょう。
まず、害虫の駆除を行います。これは、害虫によってそれ以上体液が部屋の中に広まることを防ぐためです。また、害虫が部屋の外に逃げてしまうと近隣の方の迷惑にもなりますので、一番最初に必要な作業です。
布団や畳、カーペットなど、体液が付着した物の撤去及び搬出をします。
体液が付着しているのに撤去できない床などは、洗浄して体液を除去します。
専用の消毒剤で消毒した後に、専用の消臭剤を使用します。
一通り消臭してもまだ異臭が残っている場合もありますので、確認して、必要があれば再度消毒剤と消臭剤を使用します。
家具や家電にも死臭が移っている場合もありますので、仕分けしながら整理して搬出します。
床や壁、ドアや窓ガラス等にも専用の消臭剤を使用します。
死臭が残っていないか、部屋全体の最終確認を行います。もちろん、残っているようなら再度消臭します。
以上が基本的な流れですが、部屋の状況に応じて工程の追加や省略が発生することもあります。
消費者としてより優れたサービスを低価格で求めるのは当然のことですが、孤独死の特殊清掃は、通常のハウスクリーニングとは異なります。
特殊清掃の作業内容を考えると、人件費だけでなく、消毒剤や消臭剤も一般家庭で使用する物より高額ですので、ある程度の料金がかかることは当然かもしれません。
また、実際の費用は部屋の状況によって大きく幅があるので、トラブルを回避するためにも必ず事前の見積りが必要です。
部屋の清掃(体液・汚物の除去)・・・55,000円~500,000円
遺品整理・・・30,000円~800,000円
あくまで参考ですので、部屋の状況によっては、これ以上の金額になることも考えられます。
では、孤独死の特殊清掃の費用は誰が負担するべきなのでしょうか。
これは、持ち家の場合と賃貸住宅の場合で異なります。
持ち家の場合は基本的に法定相続人(所有者)が負担します。
ただし、場合によっては特殊清掃しない状態で、家ごと格安で売りに出されることもあり、その場合は購入した方が負担することになります。
賃貸住宅の場合は、まずその部屋を借りる際の連帯保証人が支払い義務を負います。
しかし、連帯保証人に連絡がつかなかったり、連絡がついても金銭的に余裕がない場合や支払う意思がないなどの場合、法定相続人が支払い義務を負う事もあります。
さらに、法定相続人もいないという場合は、部屋を元通りにするために所有者が費用を支払うことになります。義務ではありませんが、次の賃貸契約を結ぶためには、部屋を元通りにしなければならないからです。
まず、特殊清掃の専門業者を選ぶということが大前提です。
「便利屋」を否定するわけではありませんが、孤独死の特殊清掃を依頼することが可能な業者であったとしても、死臭を完全に消臭することは難しいため、専門業者の方が確実だと言えます。
では、孤独死の特殊清掃業者の選び方にポイントを挙げてみましょう。
「基本料金」の記載がある場合「追加料金」が存在するとも受け取れます。もちろん、見積りの段階で、追加料金まで含めた総額が提示されるのであれば問題ないと言えるでしょう。
少なくとも、作業が終了してから莫大な追加請求が発生しないように、事前に確認することが大切です。
通常、優良な特殊清掃業者は作業完了後の消臭保証を付けています。ただし、条件付きの場合もありますので、事前にきちんと内容を確認しておきましょう。
特殊清掃の基本的な作業内容の中でもお伝えしましたが、家具や家電にも死臭が残っている場合があります。
その処分まで引き受けてくれる特殊清掃業者を選んだ方がよいでしょう。
特殊清掃が必要になった場合、悪臭や害虫により周辺住民の方に迷惑を掛けてしまうので「緊急でとにかく早く対処して欲しい!」という要望が多いと思います。
しかし、いくら緊急とはいえ、焦って業者を選んで悪質な業者に依頼してしまっては意味がありません。
では、なるべく時間を掛けずに安心できる業者を選ぶためにはどうすれば良いのでしょうか?
この記事を執筆しているオコマリでは、依頼者さまに最適な特殊清掃業者を紹介するサービスを提供しています。
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問い合わせや下見、見積りはすべて無料ですので、気になる方は一度問い合わせをしてみて下さい。
自分は絶対大丈夫と言い切れないのが「孤独死」です。また、自分の身近なところで起きないと言い切れないのも「孤独死」です。
実際に単身世帯では、「孤独死を身近な問題と感じているか」という方は45.4%にものぼります。
このように孤独死がどのようにして増えているかの原因をふまえ、孤独死の現場で「特殊清掃」ということが実施されていることも紹介いたしました。
万が一そのような状況になったときに、ぜひ参考にしていただければと思います。
記事を読んで孤独死に関してもっと知りたい!と思った方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。
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