デジタル遺品整理の価格ってどのくらい？

突然ですが、あなたは「デジタル遺品整理」についてどのぐらい知っていますか？

シニアの間でも急速に広まった「情報のデジタル化」に伴い、現在は写真や動画などといったデータばかりではなく、ブログ、SNSといった情報も「デジタル遺品」として取り扱われるようになっています。

今の時代には必要不可欠と言えるデジタル遺品の整理ですが、気になるのはその価格ですよね。

また、通常の遺品整理と同じくトラブルも多いようですので、デジタル遺品整理における注意点とデジタル遺品の扱っている業者の選び方、そして適正価格についてご紹介します。

デジタル遺品整理とは？

まず始めに、デジタル遺品の整理がなぜ必要なのか、そしてデジタル遺品の整理内容について解説していきます。

デジタル遺品整理ではどんなことをする？

デジタル遺品整理では、故人が遺したパソコン、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、ハードディスクなど、デジタル機器に入っているデータを一つ一つ整理していきます。

基本的には機器内に残るデータが対象ですが、価格は高いものの素人には難しい「パスワード解除」も難なく行い、ブログの閉鎖やSNSの閉鎖まで幅広く請け負ってくれる業者もいます。

デジタル遺品に該当するもの

しかし気になるのが、デジタル遺品整理で扱われる情報です。どのような情報がデジタル遺品に該当するのか、詳しくみていきましょう。

保存されている写真や文書

デジタル遺品で一番多いのは写真や文書です。特に写真は、街を歩いていると老若男女問わず撮影している姿が見受けられるようになっています。

それだけ写真を撮影する人が増えているという事ですが、それらはデジタル遺品の1つなのです。

インターネットバンキングの預金や株券

遺産といえば現実にあるものと思いがちですが、インターネットバンキングに残る預金や株券、仮想通貨なども立派な遺産です。

もしかするとデジタル遺品整理によって、隠し口座も見つかるかもしれません。

SNSまたはブログ

故人が更新しなくなったSNSやブログなども、トラブルを防ぐためにデジタル遺品整理業者に閉じてもらいましょう。

価格は高めですが、パスワードがあっても解除してもらえるので安心してください。

デジタル遺品整理の必要性

デジタル遺品整理の必要性は、高齢者のデジタル化に伴い年々高まっています。

上記で挙げたように、デジタル遺品は写真などのデータだけではなく、遺産となり得るものも存在しています。

逆に、ネット上に負債を残してしまっていることもあるようです。金銭面でもデジタル遺品整理はとても大切だと言えますね。

デジタル遺品整理で注意したいトラブルについて

デジタル遺品整理の歴史はまだ浅く、価格も適正かわかりにくいことから他の遺品よりもトラブルにつながりやすいという側面もあります。

デジタル遺品整理中やその後トラブル、デジタル遺品整理をしないことで発生したトラブルなどをご紹介します。

デジタル遺品整理でのトラブル1 - 故人のプライバシーが丸見えになる

デジタル遺品整理中に、故人のプライバシーが丸見えになってしまい遺族が辛い思いをしてしまうこともあります。

故人の趣味の画像や動画、お気に入りサイトなどをうっかり見てしまい、亡くなるまで知らなかった故人の一面を垣間見て複雑な気持ちになってしまうということが実際にあるようです。

デジタル遺品の整理をしてもらったあと、「こういうデータは削除しておいて下さい」と要望すれば、業者の方で先にデータを削除しておいてくれる所もありますので、相談してみましょう。

デジタル遺品整理でのトラブル2 - 新たな相続争い

デジタル遺品の整理をきっかけに、新たな相続争いが発生することもあります。

遺産をすべて分割した後にデジタル遺品整理をすると、資産や負債が発見されトラブルの元となってしまうのです。

ネット上に残されていた負債が巨額の場合、相続の話し合いは困難を極めるでしょう。また、一度相続してしまうと相続放棄ができなくなってしまいますから、負債には特に注意しなければいけません。

こうならないように、相続の話し合いを持つ前にデジタル遺品整理を業者に依頼しておきましょう。

デジタル遺品整理でのトラブル3 - ＳＮＳやブログの乗っ取り

SNSやブログのパスワードが盗まれ、それらが乗っ取られてしまうことも大いに考えられます。

今ではSNSも簡単に乗っ取られてしまうため注意喚起も多くなっていると思いますが、死後にはパスワードのマメな変更もできないので乗っ取りの対象となってしまいます。

ログインIDやパスワードがないといずれもアカウントの消去はできませんから、解らない場合はプロに依頼しましょう。

デジタル遺品整理の適正価格は？

このように、デジタル遺品整理は的確かつ迅速に行わないと様々なトラブルを生み出してしまいます。

しかし気になるのはその価格ですよね。そして適正価格を知らないことには、優良なデジタル遺品整理業者を選定することはできません。

スムーズなデジタル遺品整理の為に、きちんと適正価格を知っておきましょう。

デジタル遺品整理の価格設定

データ整理の価格は、「Windowsパスワード解除」の価格、「データ消去」の価格など、こまかく作業ごとの価格が設定されています。

また、パソコン内部のデータ整理に限った基本パック価格もあり、別々に細かく整理してもらうよりも割安価格でデジタル遺品整理をしてもらうことも可能です。

それでは、デジタル遺品整理の標準的な価格設定についてみていきましょう。

パソコン内部のデータ整理価格

パソコン内部のデータ整理価格は大抵の業者で「基本パック」として価格が設定されており、価格相場は45,000円〜55,000円です。

基本パック価格でできること

Windowsログインパスワード解除
パソコン内保存データの選別消去
インターネットのログインデーター、お気に入りサイトの消去
住所録アドレス帳の消去

※作業単体価格とパック価格では、合計で10,000円以上の価格差がでます。

インターネット上の様々なデータ整理価格

インターネット上に残っている個人の様々なデータ整理価格については、「オプション価格」として高価格に設定されていることが多くなっています。

現在価格を提示している業者でも、これらのデータ取り扱いについては状況によって整理する時間などが異なるためはっきりとした価格は記載されていません。

これはパスワード解除が困難になるパターンや、いくつものデータが遺されていている場合があるためです。SNSやブログの閉鎖の価格、ネットバンキングや株取引履歴検索価格、有料サイトの解約価格については、はっきりとした価格を知るために別途見積もりをとる必要があります。

スマートフォンやタブレットのデータ整理価格

スマートフォンやタブレットもデジタル遺品整理の対象となります。価格は以下の通りです。

ログインパスワード解除：3,000円〜30,000円
iPhone/iPadの初期化：10,000円

その他のデジタル遺品整理価格

その他、オプションで整理してもらえるデジタル遺品とオプション価格の一覧です。

デジタル写真整理300～500枚の価格：10,000円
写真からアルバムの作成価格：枚数とアルバムのグレードで価格を決定
パソコン初期化：20,000円
パソコン廃棄価格：80,000円～10,000円
お世話になった方への連絡：件数と連絡方法により価格が異なる

デジタル遺品整理価格が安すぎる業者に注意

デジタル遺品の整理価格を細かくみていくと、「価格が高すぎる」と感じるかもしれませんが、価格が安すぎる業者には注意が必要です。

価格が安すぎると、完全にデータが消去されないまたは復元されない、ネット上にまだデータが残ってしまっている、パスワード解除ができないなど様々な問題がでてしまうことがあります。

適正価格に近い価格であればいいのですが、格安価格を売りにしている業者には注意しましょう。特に、オプション価格のものを見積もりせず価格提示をする業者は選ばないほうがいいでしょう。