デジタル遺品のパスワードを解除する方法
投稿日:2017年07月08日 更新日:2022年06月07日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
「デジタル遺品」とは、故人の使用していたデジタル機器内部に記憶されているデータ類を指します。
高齢の遺族の中には「パソコンや精密機器のことはよくわからないから、そのまま捨ててしまおう」と考えてしまう人も少なくありませんが、その機械の中には様々な「捨てられないデータ」が遺されています。
そんなデータを救出せずに機械類を丸ごと廃棄してしまうのは勿体ないですよね。今回は、素人でもできるデジタル遺品のパスワード解除方法や、パスワードを探すヒントについてご紹介します。
「デジタル遺品」に該当するのは、デジタル化されたすべてのデータです。
それは今実際に存在するパソコンや携帯電話の中にあるものや、インターネット上にのみ残されているデジタルデータも該当します。
実際にデジタル遺品整理を始める前に、メモ帳などに「デジタル遺品にあたるもの」を書き出しておくと、データの整理漏れもなく便利です。まずはどのようなものがデジタル遺品にあたるのか、細かくみていきましょう。
デジタル遺品の代表格は、パソコンです。パソコンが大好きな故人だった場合には、1台だけではなく複数台残されていることもあります。
デスクトップパソコン、本体一体型パソコン、ノートパソコン、タブレット型ノートパソコンなど、最近ではパソコンの種類も多くなっているためすべてのデジタルデータを整理するのには時間がかかることもあります。
携帯電話全般とタブレットもデジタル遺品にあたります。
携帯電話も現在ではスマートフォンが主流となっているため、データ整理は時間もスキルも必要となります。
タブレットについても一人1台以上使用している方も少なくありません。仕事でタブレットを使用していたという場合には、仕事関係の大切なデータがないか、データ流出などが起こらないように慎重に探っていきましょう。
デジタルカメラもデジタル遺品の一つです。故人がいくつもカメラを所有していた場合には、カメラ本体内すべてのデータを確認しましょう。
デジタル遺品は機器本体に内蔵されているデータばかりではなく、記憶媒体もそれにあたります。
外付けハードディスク、CD・DVD・MD、メモリースティック、メモリーカード、USBメモリ、フロッピーディスクなどが該当します。
端末や記憶媒体に残されたもの以外では、クラウドサービスを使用して保存しているデータもデジタル遺品に該当します。
本体や記憶媒体に保存しきれないデータをクラウドサービスに保存している人はとても多くなっていますので、写真や動画のデータが思ったより少なかったという場合には、クラウドサービス上に大量にデータが遺されている場合もあるようです。
インターネットでの取引に使っていた様々なIDやアカウント類も、デジタル遺品です。
例えばインターネットショッピングやオークションサイトの利用アカウント、インターネットバンキングの口座、ネット証券の口座なども遺されていないかチェックしましょう。
デジタル遺品をすべて洗い出したら、次に行うのはパスワード解除です。
しかし素人にパスワード解除は少しハードルが高いように感じますよね。でも考えてみてください。
自分自身がデジタル機器を扱う時やネットアカウントを利用するときにも毎回パスワード解除はしています。
つまり「パスワードさえ判れば、パスワード解除はとても簡単」なんです。ここからは、正しいパスワードを見つける為のヒントをご紹介します。
パスワードの定番と言えば自分の誕生日か家族の誕生日です。故人の誕生日で解除できない場合には、家族の誕生日を入れてみましょう。
また、誕生日を逆から入力してパスワードにしている人もいます。
例えば「5月31日」が誕生日であれば、「1350」といった具合です。
その他、パスワードの文字数が決められていないときには家族全員の誕生日を並べた数字、家族の誕生日の日にち部分だけを並べた数字、という風に「ばれない工夫」をしてある場合もあります。
誕生日ではなく、記念日も入力してみましょう。
結婚記念日、入籍記念日、プロポーズ記念日、など故人にとって印象に残っている記念日をパスワードとしていることもあります。
車のナンバーも多くの人がパスワードにしている数字です。
車のナンバー自体を誕生日や記念日にしている、という場合にはその確率が高いかもしれません。
どうしてもパスワードが解除できないときには、パソコンやスマートフォンなどの説明書、契約書、設定用CD-ROMなどを探してみましょう。
説明書の裏など、各種パスワードを忘れないように記入している人もいます。
説明書類と同じく、手帳にすべてのパスワードを細かく記入している場合もあります。
この場合、インターネットアカウントのログインIDとパスワードなど、すべてのIDとパスワードを入手できる可能性があります。
ここまでのヒントを元にパスワード類を無事発見できたら、次は実際にパスワード解除してデータの整理に入りましょう。
パソコンは起動時にパスワードの入力を求められます。そこでパスワードを入力し、実行するだけでパスワード解除は完了です。
まずはパソコン内にある、必要そうなデータだけを選別しましょう。
もし故人がインターネットで資産管理をしていた場合、その履歴がないかどうか確かめましょう。ここで資産に関する履歴が出てきたら、その情報を記しておき後程直接金融機関に問い合わせてください。
また、通販サイトでの購入履歴やネットオークションの使用履歴も調べましょう。ここでは未払いのものがないかチェックします。その他SNSやブログなどもあれば、トラブル回避のためアカウントを削除しましょう。
最後に、写真や動画、アドレス帳などの必要なデータを救済します。パソコン内のすべてのファイルをチェックし、必要なものは別の記憶媒体に保存してください。
必要なデータがもうないと判断できれば、パソコンは初期化しデジタル遺品整理の終了となります。
スマートフォン・タブレットでは、起動時だけではなく通話アプリなどでもパスワード解除が必要となることがあります。
取り出したいデータが写真や動画のみであれば、もしかするとマイクロSDなどに保管されている可能性もありますので、どうしてもパスワードが解らない場合にはまずこちらから確認してみましょう。
その他、スマートフォンやタブレットでは、毎月課金される有料サービスを利用していることもあります。こちらもパスワード解除が必要となります。
スマートフォンやタブレットでは知識がないと取り扱いもできませんから、販売店に直接問い合わせてみるのも一つの手です。
クラウドサービス内に残されているデータもチェックしましょう。
パソコンやスマートフォン、タブレットで一つのクラウドサービスを共有している場合には、パスワード等がなくてもいずれかの機器から自動ログインにより確認できることが多いです。
クラウドサービス内にあるデータ整理方法は、パソコンとおおよそ変わりません。
ファイル内のデータを確認し、必要であれば別に保存、不必要であれば削除していきます。データの整理が完了したら、すべてのデータを削除した後アカウント自体も削除しましょう。
ここまでデジタル遺品整理の方法とパスワード解除方法についてお話してきましたが、すべてのデジタル機器内に残されているデータを整理するのはとても大変なことであることが分かりました。
そもそも、パスワード解除の時点でつまづいてしまって、全く前に進まないということも多々あります。
しかしデジタル遺品に残されているデータから様々なトラブルに発展することも多く、そのまま放置することもできません。
「到底自分たちではデジタル遺品を整理できそうにない」と感じたら、デジタル遺品整理の専門業者に依頼するのがおすすめです。
デジタル遺品のパスワード解除の料金相場は、「税込7,000円〜30,000円」が相場のようです。
ここには出張費、深夜作業費用などは含まれていないため、「取りに来て欲しい」「深夜帯に行って欲しい」といった要望がある場合には、さらに追加料金が必要となります。
デジタル遺品に残されているデータ量は、デジタル機器の普及が高まるにつれどんどん増えています。
パスワードを一つ一つ解除したり、膨大なデータを素人が個人で整理するのは難しいことですから、デジタル遺品整理を的確かつ迅速に行いたいのならデジタル遺品整理に慣れている専門業者に依頼しましょう。
デジタル遺品に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
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