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投稿日:2017年03月29日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
孤立死の対策は何ができるのでしょうか?超高齢社会の到来とともに、「孤立死が増えている」とか「孤立死を防ぐ対策が必要」等という言葉を耳にすることが多くなりました。
そのため孤立死は高齢者問題と深い関係がありそうですが、どうやら高齢者だけに限った問題でもないようなのです。
そこで今回は孤立死とはそもそも何なのか、何故起こってしまうのか、孤立死の後はどうなるのかという知識の整理と孤立死を防ぐ対策について詳しく説明したいと思います。
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孤立死の対策を見ていく前に、まずは孤立死とは何か?を見ていきましょう。
「孤立死」は「孤独死」と表現されることもありますが、行政は「孤立死」という言葉だけを使用しています。そして孤立死については様々な立場の方が、いろいろな言葉で説明をされていますが、厚生労働省は孤立死の定義付けを避けているようです。
これは急増する孤立死には様々なパターンがあり、一義的に定めることが非常に難しいということでしょう。
「孤独死」という表現を使わないのも、子どもと同居していて一人暮らしとは言えない状況での事例も出ているからと思われます。
今後どのようなパターンが起こり得るのかを想定できないため、国としては敢えて慎重な姿勢を取ることもやむを得ないでしょう。
では孤立死を定義できないのかと言うと、あくまでも大きな枠組みとしての定義付けは可能です。
それは、「社会との希薄な関係性の中で、人知れず命を失うこと」と説明することができます。
もっと簡単に表現すれば、「気が付いたら亡くなっていた」という状態を表すのです。「気が付いたら」というところが、孤立死の「孤立」たる所以です。
「気が付いたら・・・」という状況は、一体何を意味しているのでしょうか。
郵便物がポストに溜まっている、洗濯物を干したままという事態が起こってようやく周囲の人の関心が向くのです。
場合によっては、その状態さえ何年も気付いてもらえないこともあります。隣近所を始めとする社会とのつながりの無さ・薄さが孤立死の根底にあるのです。
確かに孤立死と考えられるデータは、高齢者に多いのは事実です。
しかし65歳未満の人が孤立死となっているケースも全体の1/3を占めています。
離婚率の高さや未婚の人の割合が増えているのも影響があるのかもしれません。
高齢者と比較して彼らは若いだけに、周囲から心配されにくいという事情もあると思われます。孤立死対策の盲点となりがちです。
このように孤立死対策は高齢者だけの問題ではなく、誰にでも起こりうるリスクとして考えておく必要がありそうです。
[caption id="attachment_2415" align="alignnone" width="798"] クリックして拡大[/caption] [caption id="attachment_2416" align="alignnone" width="794"] クリックして拡大[/caption]孤立死の対策を考えるにあたって、孤立死の原因をしっかりと押さえておきましょう。
ここでは、孤立死対策を考えるうえで重要な孤立死原因を3つご紹介します。
大都市圏への労働力の集中が進み、親元を離れた若者が大都市圏で暮らすという生活が主流となりました。
「家」は夫婦一世代もしくは夫婦と子供の二世代という構成です。
大都市圏の住宅事情もあり、二世代で暮らす人たちもいずれ子どもが独立、別居ということになり、夫婦一世代の暮らしが待っています。
やがてパートナーに先立たれ、最終的には一人暮らしとなるのです。
このように日本社会全体の核家族化は、孤立を生み出し易い土壌を作り出したと言えるでしょう。
一人暮らしの世帯数は年々その割合を高めています。
[caption id="attachment_2417" align="alignnone" width="879"] クリックして拡大[/caption]都市での暮らしは、他人との関わりを極力減らすことを理想としました。地縁・血縁の煩わしさを嫌い、他社との接触を極力避ける暮らしです。
マンション等の集合住宅では、隣人の顔さえ知らない暮らしが良しとされがちです。他人との接触を必要以上に求めず、いわば隠れ家的な暮らしを追い求めました。
マンション内で住民同士が挨拶をしないようにしようという自治会決議がなされた例があるくらいです。
またプライバシーの保護を盾に、知られないことを善として暮らしていることもあります。このような状況では隣人に異変が起こっても誰も気が付かず、気付いても知らない振りをしてしまうのです。
他者を避ける都市型生活が主流になると、人の価値観は大きく変化しました。
こうであるべきという絶対的な価値観から、人それぞれという相対的な価値観へと移り変わったのです。
相手の価値観を尊重するという理屈から、隣人のことには興味を抱かないようにし、余計な口出しを慎んだのです。
また余計な干渉をされるのを拒むことも多くなりました。自分が良いと思い行動していることを、他人にとやかく言われたくないという考えが浸透したのです。
路上に煙草の吸殻を投げ捨てる人を注意すると、「うるさいな!関係ないだろう!」と逆に文句を言われるのは、こういう風潮のせいでもあるでしょう。
このように他人に干渉しない、干渉させないという風潮は、隣人の変化に気付いても気付かない振りをさせたり、自分には関わらないで欲しいという思いから他人を遠ざけたりして、いざという時に誰からも関心を寄せてもらえないようになっていったと考えられます。
孤立死の対策としては、下記の4つが大切だと考えられます。それぞれの孤立死の対策がどのような面で重要なのかを見ていきましょう。
孤立死の対策の1つ目は、人との付き合いです。
干渉されるのを極端に嫌がる人は、プライベートなことを訊かれると露骨に嫌な顔をしがちです。
差し障りの無い範囲でよいので、短い会話をすることから始めましょう。特に男性は、女性よりも殻に閉じこもりがちなようなので、積極的に人と交わるように意識することが必要です。
これまでの個人主義的な考えや行動を一気に変えるのは難しいでしょうから、少しずつ今から行動を起こしていくことが大事です。
急に意識を変えるのは難しいので、先ずは小さな行動から変えるのです。
マンションで人とすれ違ったら、会釈をしましょう。そんなところから行動してはどうでしょうか。繰り返し続けていけば、意識が変わって来るはずです。
孤立死の対策の2つ目は、人との交流です。社会と接点を持つとは、人との交流を持つことです。交流があれば、自分の身に何かあった際に異変に気付く人が必ず現れます。
そして彼らはあなたの人生をよりカラフルにしてくれるはずです。生き甲斐を感じさせてくれるのです。これが根本的な孤立死の対策です。
孤立死の対策の3つ目は、自治体の孤立死の対策を学ぶことです。孤立死を防止するために、自治体によっては民間事業者との連携を構築しているところがあります。
郵便事業者や電気事業者等が自宅を訪問した際に異変に気付くと、自治体に報告するというものです。また民生委員が自宅を訪問して様子を確認する自治体もあります。
住んでいる自治体がどのような孤立死対策を取っているのか、どうすればその対策を利用できるのかを、事前に知っておくことは後々大いに役立つはずです。
市区町村の福祉課等に問い合わせてみれば、親切に教えてくれます。但しこれらは高齢者や障がいのある方用の孤立死対策ですので、誰でも使える訳ではありません。
孤立死の対策の4つ目は、見守りサービスです。部屋の中で12時間人の動きを感知できないと、見守りセンターが無事の確認をするというサービスがあったりします。
高齢者向けの食事を宅配した際に異変を感じたりすれば、親族に連絡をするサービス等もあります。認知症への備えも兼ねて、専門家と見守り契約を結び、定期的に確認をしてもらうという方法もあります。
これらのサービスは重複して受ける必要はないので、費用も含めてどのサービスが自分に向いているのかを検討すべきでしょう。
民間事業者 | 提供サービス |
---|---|
警備会社 | シニア向けの通報システムだけでなく、電話や訪問による様子伺い |
携帯電話会社 | 離れて暮らす家族にスマホやタブレットを使って活動状況を伝える |
家電メーカー | ポットの使用状況を家族にEメールで伝える |
郵便局 | 訪問による見守りサービスや電話による見守り |
生協 | 配達状況を家族にEメールで伝え、異常を感じた場合は警察や行政へ通報、救急車の手配 |
孤立死対策を実践した結果、孤立死とは無縁になった方のケーススタディをご紹介したいと思います。
高層マンションの上層階に住み、一日に一回だけエレベーターで地上に降り、コンビニに買い物に行くという一人暮らしの高齢者の方がおられました。
コンビニ以外の社会との接点は皆無です。ところが偶然目にした自治体の広報誌に載っていた記事を見て、老人大学に通うことになったのです。
今その方は、自治体が運営する学びの会に参加して、たくさんの方と話すことを楽しみとするようになりました。当然友人関係も増え、毎日電話でお友達と会話を楽しんでおられます。
孤立死の対策として社会性を回復させる努力をしていても、もしもの時が突然訪れたら、全てがやりっ放しの状態です。
やり遂げた満足感を味わうこともできません。それどころか、やり残したことに未練を感じて亡くなっていくのかもしれません。
そして亡くなってから随分と時間が経った後に、警察が事件性の有無を調査し、事件性は無ければ専門業者による部屋の片づけが始まります。
決してきれいな世界ではないことは想像に難くないでしょう。この状況を待ちわびる人はいません。
ならば、そうならないように毎日を充実して過ごすだけでなく、備えをしておく必要があります。
悔いのない人生を送れるよう、自分の人生を棚卸しておきましょう。そのための道具となるのがエンディングノートです。
やっておきたいことややり忘れていることを思い出すきっかけになります。エンディングノートを書いたら終わりではなく、そこからが忙しくなってくるはずです。
あれをしよう、これもしておこうと、活動的にならざるを得ないのです。また、自分の死後のことについて、希望を書き残すこともできます。
意識が回復しないまま病院に長期入院という事態になったり、残った財産の使い途の希望があったり、葬送について希望があるような場合は遺言書を遺しておくことを勧めます。
その遺言書をどこに保管してあるのか等は、信頼のできる人に伝えておくことがとても大事です。
せっかく作った遺言書のことを誰も知らないのでは、発見されずに処分される可能性もゼロではありません。
専門家に預け、その専門家と見守り契約を交わしておけば、いざという時も安心できます。
どんなに孤立死を防ごうとしても、発生してしまうケースというのはあります。もし孤立死の連絡が来た時にするべきことを手順を追って説明します。
孤立死が発見された場合には、警察に連絡がいきます。まずは警察が事件性があるのかどうかを現場検証し、遺体の搬送をします。
警察によって、検死や必要であればDNA鑑定が行われ、部屋のなかにあった情報からご家族に連絡が行きます。
ご家族や身近なご親類がいない場合には、面識のない遠い親戚に連絡が入ることもあるそうです。
葬儀を行う手配をします。ご家族やご親類など対応できる方がいる場合は葬儀社に連絡します。
対応できる方がいない場合には各自治体が対応することになります。孤立死の場合には、その故人と家族や親戚たちが疎遠になっているケースが多いため、簡易な葬儀で済ませることが多いということです。
孤立死の場合には、通常のハウスクリーニングでは対処できないため、特殊清掃という特別な作業が入ります。
孤立死のようなケースだと死後から長時間経過していることもあり、ご遺体から出る腐敗臭や体液による汚れがあるため、消臭や脱臭、しみ抜きなどをする必要があります。
体液が床や壁、さらにはコンクリートまで染み込んでいると、特殊清掃だけではなく床や壁の張替えをする必要性が出てきます。
現場や遺品整理業者によって、特殊清掃の脱臭や消臭と前後する場合はありますが、部屋の遺品を整理する必要があります。
通常の遺品整理とは異なり、素早く遺品整理を行っていく必要があります。孤立死の場合には、基本的に依頼者が自分たちで遺品整理や特殊清掃をすることは不可能で、遺品整理業者に依頼します。
公共料金や各種保険の解約など、たくさんの手続きをしなければなりません。預金の手続きなどもかなり複雑になるので、各種書類の準備も必要となります。
孤立死の対策について、孤立死の対策と共に孤立死してしまう原因をお伝えしてきました。
孤立死は決して高齢者だけの問題ではなく、40代・50代の独身者も注意が必要です。そして社会性を回復することが、孤立死を防ぐ対策のメインだと頭を切り替えましょう。
社会とのつながりを持ち、個人主義的な思考や行動を変えていくことが望ましいのです。
交流の場に参加することで人生を豊かにしてくれる友人を手に入れ、異変に気付き合える関係性を作り上げましょう。その上で、行政や民間事業者のサービスを上手く活用することをお勧めします。
記事を読んで孤独死について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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