独居老人が死亡し、数日間後に発見される孤独死が、日本でニュースに取り上げられようになったのは、昭和50年代頃からです。

現代では、高齢者より若い50代の孤独死の件数が増えています。特に近年では、賃貸物件のアパートでの孤独死によりアパートの大家や遺族、近隣住民との間でトラブルになっていることが多いです。

遺族がアパートの大家や近隣住民とのトラブルを予防するためには、生前から自分の孤独死について考えてみる必要があります。

今回は、アパートでの孤独死の現状と周囲の人が受ける影響、孤独死後の処理費用などについてお伝えします。

目次

孤独死とはどういう事?

千葉市の特殊清掃の原因となる孤独死

現在の日本では、「孤独死」についての明確な説明がなく、一般的には、「別居中の親族や家族がいるかいないかにかかわらず、一人住まいの人が誰にも看取られず、自殺や他殺以外の原因で死亡した場合のこと」を孤独死と呼びます。

孤独死の他、「孤立死」や「独居死」と呼ばれる場合もあります。

孤独死の場合は、同居人がいないために、数日間から数週間に渡り遺体を発見できないことから、腐敗が進み、体液により畳や床にシミができ、死臭が出てくるために、特に賃貸物件のアパートでの孤独死は、大家や近隣住民とのトラブルが発生する原因となっています。

年代別にみる賃貸物件の孤独死の状況

では、賃貸物件での孤独死の人数はどの位なのでしょうか。

公的機関での統計は65歳以上の高齢者が対象のため、今回は民間機関の「孤独死特約付きの家財保険会社」による統計を年代別に見るために用いらせていただきました。

下記の表は、少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している単身借家世帯数の被保険者が、2015年4月~2016年1月までの間に、孤独死をして保険金が支払いされたデータです。

統計総数は、男性363人、女性 77人、合計440人を対象としていますが、自殺・事故死・原因不明の183人は除いた件数を一覧表にしました。

病死には老衰も計上されています。

単身借家世帯数の年代別孤独死状況

29歳以下 30代 40代 50代 60代 70代 80歳以上
男性 人数 217 2 10 24 41 82 41 17
割合% 0.9 4.6 11.1 18.9 37.8 18.9 7.8
女性 人数 40 0 2 5 1 17 8 7
割合% 0 5.0 12.5 2.5 42.5 20.0 17.5

データを見ると、女性よりも圧倒的に男性が多くなっています。

年代別に見ると、男性では60代が82人で最も多く、次いで60代と70代が各41人で、中高年層の孤独死が多いことが分かります。

一方、女性では60代以降の高齢者が多くなっています。

このデータからみると、最も孤独死について気をつけなければいけない年代が50代以降の男性だと言えます。

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統計データからみる孤独死の原因とその防止策とは?

アパートで孤独死した場合の部屋の状況とは?

孤独死のあったアパートの部屋

アパートで孤独死した場合における遺族やアパートの大家、近隣住民の影響を説明する前に、アパートで孤独死をした場合には部屋の状況がどの様になってしまうのかを説明します。

  • 部屋に生活用品とゴミが散乱している
  • 遺体が細菌により夏場では死後2~3日、冬場でも7日以内には腐乱し、体液が漏れ、死臭を放している
  • 腐乱した遺体を餌に,ゴキブリやハエ、ウジなどの害虫がわき、部屋中を覆いつくす
  • 更に腐敗が進むと、アパートの部屋の外へ死臭が漏れ出す
  • 遺体の発見が遅れると遺体があったアパートの部屋の畳や床に遺体の跡が残っている

などこの様な状態になります。アパートで孤独死した遺体を発見が早ければ早いほど、体の腐乱、死臭や害虫の発生を防ぐことが出来、事後処理も簡単に済むということになります。

アパートで孤独死をした場合の費用負担を支払うのは誰?

孤独死アパートを片付ける費用

借主がアパートで孤独死をした場合には、借りている部屋を片付けた後に速やかにアパートの大家に引き渡さなければなりません。

そのためには、部屋の清掃や生活用品の処分などの作業を行い、借主が最初に借りた部屋の状態まで戻す原状回復を行わなければなりません。その際の順番によって費用を負担する人が決まります。

連帯保証人

借主がアパートを借りる場合には、「連帯保証人」をたてないと入居できません。連帯保証人は、大抵の場合は以下のようになります。

  • 親や子、孫、祖父母、兄弟姉妹の2親等以内の親族であること
  • ある程度の安定した収入があり、借主の家賃未払い時に立替えができる支払い能力があること
  • 認知症や死亡確率が高い高齢者でないこと

などの条件があります。親が失業していたり、定年退職をしていたりして連帯保証人が立てられない時には、連帯保証人の代わりとなる「保証会社」や連帯保証人が不要である家賃を「クレジット決済」にするも方法もあります。

法定相続人

連帯保証人に連絡がつかない場合には、法定相続人にアパートの部屋の清掃等の負担金の支払いの義務が生じます。

民法の法定相続人とは、法律上の配偶者(夫または妻)、直系卑属の子、直系尊属の父母、傍系血族の兄弟姉妹となります。

アパートの所有者

連帯保証人や法定相続人が費用負担できない場合は、アパートの所有者である大家が負担することになります。

アパートでの孤独死をした場合に与える周囲への影響とは?

アパートで孤独死があった際の隣の住人

では、アパートで孤独死をした場合には、遺族やアパートの大家、近隣住民にどの様な影響をもたらすのでしょうか。

遺族への影響

アパートで孤独死した場合には、部屋の原状回復を行い、貸主であるアパートの大家に速やかに返還しなければならない義務が生じます。

このため、連帯保証人や法定相続人である親族は以下のような費用支払いの他、公的機関への手続きをする為に休暇をとるなどの肉体的、精神的苦痛が発生します。

  • 遺体を引き取ってもらうための費用
  • 水道光熱費や電話代など未払い金の支払い
  • 公的機関への連絡(死亡届や健康保険・年金関係、税金など)
  • その他、リースやレンタル料金の未払い金などの支払い
  • アパートの部屋の未払いの家賃の支払い
  • アパートに置いてある遺品整理など荷物の撤去費用
  • アパートの部屋の改修費用
  • アパートの部屋の清掃費用
  • アパートの家賃収入の補償

大家への影響

アパートの貸主である大家には、以下のような経済的損失が大きなネックとなります。

  • 孤独死した部屋に「事故物件」としての風評が立ち、次の借り手がなかなか見つからない
  • 借り手がついたとしても、通常家賃よりも2~3割安い家賃に変更する必要がある
  • 孤独死した遺体の腐乱した状態により、近隣住民からの苦情がある
  • 法定相続人が相続放棄をした場合には、アパートの部屋の清掃や部屋にある荷物の処分費用の負担が生じる

近隣住民への影響

アパートの近隣住民は、心理的なストレスをうけることが多いと言えます。

  • いつまでもアパートの建物に死臭などが残り、精神面でストレスになることがある
  • 住んでいるアパートに、「事故物件」と風評被害を受ける場合がある

アパートにおける孤独死の処理にかかる費用はいくら?

孤独死の処理費用

アパートで孤独死をした場合の処理費用は実際いくらなのかを概算としてあげてみました。

葬儀金額

葬儀名 値 段 内 容
一般葬 698,000円 迎え・遺体安置・納棺・お通夜・告別式・初七日法要・火葬
家族葬 498,000円 迎え・遺体安置・納棺・お通夜・告別式・初七日法要・火葬
身内葬 598,000円 迎え・遺体安置・納棺・お通夜・告別式・初七日法要・火葬
火葬式 198,000円 迎え・遺体安置・納棺・お別れの儀・火葬

直葬だけでも約20万円は経費がかかります。

孤独死清掃の料金の相場

発見日数や部屋の汚染具合により、値段がそれぞれ違います。

内 訳 金額(消費税抜き)
腐敗体液・汚物撤去 20,000円~250,000円
害虫駆除 15,000円~100,000円
消臭消毒 20,000円~150,000円
合 計 55,000円~500,000円

この様な内訳となります。思いのほか多くの費用が生じることになります。

アパートで孤独死した場合に依頼すべき業者とは?

孤独死に対応する業者

アパートで孤独死をした場合には、発見までの日数により遺体の腐敗状況が違いますので、発見までの日数が早ければ早いほど身元確認がスムーズにできアパートの部屋の清掃などの処理期間が少なくてすみ、簡単な清掃ですむ場合が多くなります。

日本少額短期保険協会賃貸物件の孤独死の統計によると、少額短期保険加入者の内、賃貸物件で孤独死をした場合の発見日数は、3日以内と2週間以内の差はあまりありませんが、発見日数が遅くなるにつれ処理費用や家賃保証が高くなるのが分かります。

発見までの日数と日数別平均損害額

対象者数=342人 最短0日・最長1511日

             

3日以内 4~14日 15~29日 30~89日 90日以上
発見人数 118 107 58 51 8
割 合 34.5% 31.3% 17.0% 14.9% 2.3%
残置物処理損害額 172,000円 226,000円 282,000円 222,000円 190,000円
原状回復損害額 267,000円 396,000円 527,000円 475,000円 200,000円
家賃保証 157,000円 382,000円 297,000円 612,000円

※金額はいずれも平均金額です。

季節によりますが、腐敗の進行が早い場合、例えば夏場だと2~3日で遺体が腐敗し始め、死臭や体液による建物の汚染、害虫の発生などが出てきますので、専門技術を持った業者に頼むようになります。

リサイクル業者やリフォーム会社に依頼した場合には、死臭などが残る場合に高額費用を請求されることもありますので、事前に見積もりをお願いし、専門技術を持った「特殊清掃専門業者」に任せましょう。

しかし、「特殊清掃専門業者」の中にも、法外に高額料金を請求したり、作業内容が雑で悪臭が取れなかったりする悪徳業者もいますので、依頼する時には注意が必要です。

そこで大切なのは、不当に高い見積もりを出している業者も多いので優良な業者を見極めて依頼することです。

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特殊清掃が必要になった場合、悪臭や害虫により周辺住民の方に迷惑を掛けてしまうので「緊急でとにかく早く対処して欲しい!」という要望が多いと思います。

しかし、いくら緊急とはいえ、焦って業者を選んで悪質な業者に依頼してしまっては意味がありません

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孤独死を防ぐために必要なことは?

アパートでの孤独死を防ぐ方法

以前では、「孤独死=高齢者」と言われてきましたが、介護保険制度が普及した昨今では高齢者よりも50代以上の一人暮らしの男性が、脳梗塞や心筋梗塞などの病で死亡するケースが多くなっています。

自分の身体に病気がないか普段から健康に気を使い、病気が見つかった場合には医師の治療を受けるようにしましょう。

また、特に失業者は外部との関わりを持たないゆえに、孤独死した場合の発見が遅れてしまう傾向がありますので、普段から親類縁者と念密に連絡を取ったり、アパートの大家や近隣住民と顔見知りになったりすることで、孤独死を早く発見してもらうようにします。

現在では公的機関で、孤独死の防止を推進していますがなかなか難しい面もありますので、アパートの大家は近隣住民や各会社の検針員、新聞配達員などの協力を得ることが大変重要になります。

自分自身の対策としては、事前に自分の生前の身辺整理をしておくことが必要になります。

生前整理の必要性

生前整理する夫婦

孤独死は早めの発見と早めの対応が必要であると認識し、遺族やアパートの大家、近隣住民に迷惑をかけないためにも、万が一、自分が孤独死をした場合に備えて「生前整理」が必要になってきます。

生前整理とは、終活の一つの活動で、人生の終焉を迎える前に、所持物や自分自身の生き方の整理をすることです。これを機会に、一人暮らしの方には、「生前整理」を行うことを年齢問わずおすすめします。

生前整理の始め方

生前整理の始め方には2通りあります。1つ目は、所持物を整理する始め方。もう1つは自分の生き方を整理する始め方です。

前者は、自分が持っているもの、衣類や布団、本、食器などで不要なものを捨てていき、部屋にある物の量を減らしていく作業です。

これまで長年使ってきたものを整理し、これから本当に使用するものだけを残すことで、自分が亡くなった時に遺族が遺品整理しなければいけない量を減らすのです。

後者は、自分の生き方を整理するという意味では、エンディングノートを書き始めるといった事が具体的なアクションです。

エンディングノートを書くことで、自分自身が生きてきたこれまでをふり返り、これからの未来をどのように生きたいか?を考える良いキッカケとなります。

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終活ノートの書き方を伝授します

「孤独死がアパートで生じた時の周囲への影響と処理費用」のまとめ

孤独死のあったアパートの一室

人間は生きていく上で、早かれ遅かれいつかは「死」に直面します。一人暮らしの人は「孤独死」になりやすいです。特に周囲との関わりのない男性は、発見されにくい傾向にあります。

日頃から親族や知人、アパートの大家、近隣住民と密に連絡を取ることにより、早く孤独死が見つかり残された人に迷惑をかけずにすみますので、日頃から生前整理をしておきましょう。

孤独死の対処法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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