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投稿日:2017年04月03日 更新日:2023年10月11日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
孤独死がアパートで発生した場合、その掃除や処理費用はどれくらいかかるのでしょうか?また連帯保証人がいる場合には、孤独死の損害賠償に応じなければいけないのでしょうか?
現在では一人暮らし世帯の増加により、孤独死の案件数も増加しています。このページでは、孤独死がアパートで発生した場合の疑問について解決していきます。
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孤独死がアパートで急増している背景には、一人暮らし世帯の増加が挙げられます。国立社会保障・人口問題研究所が公開した「日本の世帯数の将来推計」では2015年には全世帯数に対する一人暮らし世帯は34.5%となっており、2040年には39.3%になると予想されています。
一人暮らし世帯が増加すれば必然的に孤独死になる可能性は高くなるため、アパートでの孤独死が急増する要因となるのです。
少し古いデータになりますが、下のグラフは、内閣府より発表されている「東京23区内で自宅で死亡した65歳以上の一人暮らしの死亡者数」「単身居住者で死亡から相当期間経過後に発見された件数」「孤独死を身近な問題と感じる人の割合」のデータを独自に作成しグラフ化したものです。
[caption id="attachment_2895" align="alignnone" width="662"] クリックして拡大[/caption]グラフの青い線が65歳以上の一人暮らしの死亡者数で、オレンジの線は、65歳以上の一人暮らしでかつ自宅で死亡した人数です。
青のグラフは、病院や施設、または事故などが原因でなくなった方も含まれている数字ということになります。オレンジは、自宅で死亡した人数ですので、孤独死となっている場合が考えられる方の数字です。
このように孤独死は年々増加していることがわかります。
アパートで孤独死した場合、部屋の状況としては下記にような状況になります。
アパートで孤独死した遺体を発見が早ければ早いほど、体の腐乱、死臭や害虫の発生を防ぐことが出来、事後処理も簡単に済むということになります。
アパートでの孤独死の発見者は、大家や管理人が多いとされています。理由としては、近所の人から通報を受けて立ち入りするのが大家や管理人が多いからという理由です。孤独死が発生したアパートの状況は、文章で読んでも想像できる通り非常に荒れてしまっており、人が入れるような状況にないのです。
孤独死のアパートの損害賠償は連帯保証人がいれば連帯保証人が対応することになります。
借主がアパートで孤独死をした場合には、借りている部屋を片付けた後に速やかにアパートの大家に引き渡さなければなりません。
そのためには、部屋の清掃や生活用品の処分などの作業を行い、借主が最初に借りた部屋の状態まで戻す原状回復を行わなければなりません。その際の順番によって費用を負担する人が決まります。
ここからは損害賠償の責任を誰が負うのかに関して、詳しく見ていきたいと思います。
借主がアパートを借りる場合には、「連帯保証人」をたてないと入居できません。最近は保証会社への加入があれば連帯保証人が不要なケースもありますが、昔ながらのアパートでは今でも連帯保証人が必須のこともあります。
連帯保証人は、大抵の場合は以下のようになります。
アパートが孤独死した際の損害賠償、通常では原状回復費用(特殊清掃費用も含む)と孤独死によって減った家賃収入の補填分、は連帯保証人が負担することになります。
連帯保証人に連絡がつかない場合、もしくは連帯保証人がいない場合には、法定相続人にアパートの部屋の清掃等の負担金の支払いの義務が生じます。
民法の法定相続人とは、法律上の配偶者(夫または妻)、直系卑属の子、直系尊属の父母、傍系血族の兄弟姉妹となります。ただし相続人は「相続放棄」をすることで相続に関する一切の権利を破棄することができます。
アパートでの孤独死の損害賠償分を支払うと赤字になるのであれば、相続人は何も相続しない方が良いということになるでしょう。
連帯保証人や法定相続人が費用負担できない場合は、アパートの所有者である大家が負担することになります。
孤独死が発生した際に原状回復費用や特殊清掃費用、減った家賃収入の補填を行ってくれる保険(孤独死保険など)に入っていることで、自分での負担を軽減することが可能です。
万が一のことを考えておくのであれば、孤独死保険については調べておく方が良いでしょう。
関連記事:孤独死保険について詳しく知りたい方はこちら
「孤独死保険とは?大家必須の孤独死対策保険について」
アパートで孤独死をした場合には、遺族やアパートの大家、近隣住民にどの様な影響をもたらすのでしょうか。ここからは、遺族・大家・近隣住民への影響をそれぞれ見ていきたいと思います。
アパートで孤独死した場合には、部屋の原状回復を行い、貸主であるアパートの大家に速やかに返還しなければならない義務が生じます。
このため、連帯保証人や法定相続人である親族は以下のような費用支払いの他、公的機関への手続きをする為に休暇をとるなどの肉体的、精神的苦痛が発生します。
アパートの貸主である大家には、以下のような経済的損失が大きなネックとなります。
アパートの近隣住民は、心理的なストレスをうけることが多いと言えます。
アパートでの孤独死の掃除や処理にかかる料金・費用を下記の表にまとめてみました。
内訳 | 金額(消費税抜き) |
---|---|
腐敗体液・汚物撤去 | 20,000円~250,000円 |
害虫駆除 | 15,000円~100,000円 |
消臭消毒 | 20,000円~150,000円 |
合計 | 55,000円~500,000円 |
アパートで孤独死をした場合には、発見までの日数により遺体の腐敗状況が違いますので、発見までの日数が早ければ早いほど身元確認がスムーズにできアパートの部屋の清掃などの処理期間が少なくてすみ、簡単な清掃ですむ場合が多くなります。
アパートでの孤独死の後の掃除や処理のことを「特殊清掃」と呼び、特殊清掃を専門にしている業者を特殊清掃業者と呼びます。アパートでの孤独死現場の掃除や処理を素人が行うことは困難だといえますので、特殊清掃業者に依頼して行ってもらうのが良いでしょう。
また、特殊清掃業者には遺品整理を行ってもらうこともできます。孤独死が発生したアパートを自分たちで遺品整理するのは死臭や気持ちの問題で困難かと思います。特殊清掃業者に一緒に遺品整理を行ってもらう方が心も体も楽になると言えるでしょう。
遺品整理の料金費用相場は、間取り別で決まっていることが多いです。間取りが広くなればなるほど遺品整理の量が増えるため費用が高くなっていきます。
部屋の大きさ | 遺品整理の料金費用相場 |
---|---|
1K・1R | 20,000円〜100,000円 |
1DK | 36,000円〜150,000円 |
1LDK・2DK | 54,000円〜200,000円 |
2LDK・3DK | 72,000円〜350,000円 |
3LDK・4DK | 90,000円〜500,000円 |
4LDK・5DK・それ以上 | 108,000円〜650,000円 |
アパートでの孤独死の発見が遅くなればなるほど、アパートでの孤独死の損害額は大きくなっていきます。
日本少額短期保険協会賃貸物件の孤独死の統計から、少額短期保険加入者の内賃貸物件で孤独死をした場合の発見日数と損害額の表をまとめたのが下記です。表を見ると発見日数が遅くなるにつれ処理費用や家賃保証が高くなるのが分かります。
3日以内 | 4~14日 | 15~29日 | 30~89日 | 90日以上 | |
発見人数 | 118 | 107 | 58 | 51 | 8 |
割 合 | 34.5% | 31.3% | 17.0% | 14.9% | 2.3% |
残置物処理損害額 | 172,000円 | 226,000円 | 282,000円 | 222,000円 | 190,000円 |
原状回復損害額 | 267,000円 | 396,000円 | 527,000円 | 475,000円 | 200,000円 |
家賃保証 | 157,000円 | 382,000円 | 297,000円 | 612,000円 |
※金額はいずれも平均金額です。
※対象者数=342人 最短0日・最長1511日
季節によりますが、腐敗の進行が早い場合、例えば夏場だと2~3日で遺体が腐敗し始め、死臭や体液による建物の汚染、害虫の発生などが出てきますので、専門技術を持った業者に頼むようになります。
リサイクル業者やリフォーム会社に依頼した場合には、死臭などが残る場合に高額費用を請求されることもありますので、事前に見積もりをお願いし、専門技術を持った「特殊清掃専門業者」に任せましょう。
しかし、「特殊清掃専門業者」の中にも、法外に高額料金を請求したり、作業内容が雑で悪臭が取れなかったりする悪徳業者もいますので、依頼する時には注意が必要です。そこで大切なのは、不当に高い見積もりを出している業者も多いので優良な業者を見極めて依頼することです。
アパートで孤独死をした場合、孤独死した方の葬儀費用も勘定に入れる必要があります。下記には葬儀の形式別の料金費用相場を表にまとめたものです。一番シンプルな火葬式でも20万円前後はかかりますので、孤独死した際の費用を負担する場合には、その負担費用に加えて葬儀の費用も考えるようにしましょう。
葬儀名 | 値段 | 内容 |
---|---|---|
一般葬 | 698,000円 | 迎え・遺体安置・納棺・お通夜・告別式・初七日法要・火葬 |
家族葬 | 498,000円 | 迎え・遺体安置・納棺・お通夜・告別式・初七日法要・火葬 |
身内葬 | 598,000円 | 迎え・遺体安置・納棺・お通夜・告別式・初七日法要・火葬 |
火葬式 | 198,000円 | 迎え・遺体安置・納棺・お別れの儀・火葬 |
アパートでの孤独死を防ぐ方法はありません。一人暮らし世帯である以上、孤独死をする可能性はゼロにできないからです。
しかし、アパートで孤独死が発生した際、早く発見することによってその後の掃除や処理の費用を安くすることは可能です。すでにお伝えしたように、アパートでの孤独死の原状回復工事費用や特殊清掃費用は孤独死の状態が酷くなればなるほど高くなっていきます。したがって、アパートの住人同士でのコミュニケーションを活発にしたり、定期的にアパートを訪れるなどして安否確認を行うのが良いでしょう。
隣の人の顔も知らないのが普通になってきている世の中ではありますが、アパートでの孤独死の状況を悪化させないためには必要なことだといえます。
孤独死がアパートで発生した場合の掃除費用の相場や連帯保証人の損害賠償責任などについてお伝えしてきました。
孤独死は身の回りで発生している身近な存在です。自分の家族に限ってはそんなことないと思わずに、何かあった時に対応できるようにしておく方が安心でしょう。
一人暮らし世帯が今後も増加している日本社会ですので、孤独死への対策はしっかりとしておきましょう。
記事を読んで孤独死の対処法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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