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投稿日:2017年05月01日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
高齢化社会が進むにつれて、患者数が増えてきているのが認知症です。
その原因は加齢や脳の器質的なものだといわれていますが、現在の医学では根本的な治療は不可能です。ここでは認知症によっておこる家のゴミ屋敷化などの問題について説明していきます。
認知症はかつての日本では「痴呆」と呼ばれていましたが、厚生労働省の用語検討会において「認知症」と呼ばれるようになりました。
加齢などの原因により脳に器質的な障害がおこり、知能や見当識、記憶力などが低下してしまう状態の事を言います。
また、認知症とともにうつ病などの精神的な疾患を患うこともあり、社会的に問題になっています。
認知症の主な症状として記憶障害と見当識障害(時間・場所、人物の失見当)、認知機能障害(計算能力や判断力の低下、失語、失認、失行、実行機能障害)が挙げられます。
簡単に言うと今自分がどこにいるかわからなくなったり、子供や配偶者など近しい人が誰だかわからなくなったり、今まで対処できたいた家事などの簡単な作業ができなくなるなどの症状が出てきます。
また、以前のように物事をこなせなくなることへの苛立ちから、性格的にも怒りっぽくなったり、物のありかが分からなくなっていつも探し物をしていたり、置き場が分からなくなったものを盗られたと思い込んだりしてしまうこともあります。
同居する家族がいる場合には代わりに掃除や片付け、その他の家事を代わりに行うことができますが、一人暮らしの場合にはそのまま不衛生な状態が進み、ゴミ屋敷となってしまいます。
認知症の症状の中には、「物忘れ」があり、この症状により今日が何日か、何曜日かといった事が分からなくなってしまいます。
そのためゴミを決まった曜日にゴミステーションに持っていくことができなくなり、屋内にゴミが溜まるため、ゴミ屋敷となってしまいます。
また食べ物を買ってきても、それがいつ買ったものかわからなくなり、腐敗が進むことなどによって室内は非常に不衛生な状態になってしまいます。
認知症と同時に発症しやすい病気に「老人性うつ病」があります。
認知症の初期段階で、今までできていたことができなくなったという自覚がある場合に、老人性うつ病を発症するケースがあります。
この老人性うつ病の症状の中に、自分やその住環境に対して無関心になる、いわゆるセルフネグレクトという症状があります。
この状態になると、部屋の掃除や片付けはおろか、入浴や食事をすることもできなくなり、住まいがゴミ屋敷化してしまいます。さらに自分の衛生状態も悪くなり、肉体的疾患につながる恐れもあります。
セルフネグレクトに陥った場合には他人から干渉されることも嫌がるので、一人暮らしの人がこのような状態になってしまうと、最悪の場合孤独死してしまうことも考えられます。
認知症の進行に伴って、収集癖という症状が出てくる場合もあります。
この症状は物を集めてきたり、拾ってきたり、買ってきたりして、大切な物として自分の近くに置いておくというものです。症状が進むとゴミ捨て場から本人がまだ使えると思い込んだものを拾ってきたりするようになります。
そのほかにも、「買い物をする」という概念がなくなっている場合には気になったものをお店から勝手に持ってくるようになってしまうことも考えられます。
そしてそれらの物に強い執着心を持つようになるので、自ら進んで捨てるようなことはまずありません。
なぜなら、他人から見れば不用品の山でも、本人にとっては大切な宝の山だからです。そのような収集癖と物に対する強い執着心により、家がゴミ屋敷となってしまいます。
認知症によるゴミ屋敷の解決法は家族と同居であるか、一人暮らしであるかという状況の違いで対応が大きく変わってきます。
ここではその二つのケースに分けて解決法を説明していきます。
認知症患者が家族と同居している場合には、家族のサポートで住まいのゴミ屋敷化を防ぐことができます。
認知症による収集癖は人にかまってもらえない寂しさが原因となっていることが多いので、家族の時間を増やし、物の収集から認知症患者のの気持ちをそらしたり、自宅に認知用患者の「宝物置き場」を設定して、大事なものはそこに置くように誘導したりすることでゴミ屋敷化はある程度防ぐことができます。
同時に認知症専門の医療機関に相談して、患者の状態に適した対応法をアドバイスしてもらうことも有効です。
それでも物が減らない、むしろ増えてしまうといった場合には、認知症患者がデイサービスなどで外出中に少しずつ処分してしまいましょう。
処分されたことに気付かない場合には、そのまま少しずつ処分するものの量を増やしていきましょう。
もし認知症患者に物がなくなっていることに気付かれてしまうと、「家に泥棒が入った」などどいうもの盗られ妄想につながる危険性があるので、それ以上の処分は控えるようにして、他の方法を考えるようにしましょう。
「ものを盗まれた」などの妄想が出てきた場合には、患者の意見を否定せず、同情的な立場で患者に寄り添うことで、妄想が軽減することもあります。
しかし、妄想にとらわれてしまうと家族に対してさえ暴力的な言動に走ることもあるので、ヘルパーやケアマネージャーなどの専門家に間に入ってもらい、場合によっては施設への入所を検討することをおすすめします。
認知症患者が一人暮らしの場合、最終的な解決法は施設への入所ということになります。認知症は進行を遅らせることはできても、病状を改善することは現代の医学では不可能です。
ゴミ屋敷と化した住居に認知症患者を一人暮らしさせるということは、本人は満足でも生活していくうえでさまざまな命に係わる危険にさらされることになり、一種の老人虐待にもなりかねません。
ゴミ屋敷には害虫や悪臭の発生、漏電による自然発火の危険があり、本人だけではなく、近隣住民の生活を脅かすことも考えられます。
認知症患者本人と周囲の人たちのためにも、本人の症状にあった施設で、清潔で健康的な生活を送ってもらうようにしましょう。
認知症の症状が進行し、家族や周囲のケアでは追い付かなくなり、専門の施設に入所した後に残されるのは荒れ果てたゴミ部屋やゴミ屋敷です。
これらの片付けや清掃には時間と体力と人手が必要ですが、この3つをもってしても素人の作業には限界があります。
特にゴミ屋敷が広い場合や、水回りが使用不可能な状態になっている場合には思い切って片付けを業者に依頼することをおすすめします。
ゴミ屋敷の片付けを依頼する業者には次のようなものがあります。
清掃業者の中には建物の清掃だけではなく、ゴミ屋敷の片付けも行ってくれる業者があります。
清掃業者にゴミ屋敷の片付けや清掃を依頼した場合には、通常のゴミの処分と清掃のほかに、屋内の脱臭や消毒まで依頼することができます。
この場合にはゴミの量や片付ける場所の広さ、その他オプションサービスで料金が変わってくるので、必ず数社に見積もりを依頼してから業務を委託する業者を選ぶようにしましょう。
便利屋の中にもゴミ屋敷の片付け・清掃を行ってくれる業者があります。便利屋に依頼するメリットは、家電製品の取り外しや庭の手入れなどゴミ屋敷の片付け・掃除以外の作業も依頼できることにあります。
この場合も業者や作業内容によって料金はまちまちなので、料金やサービスの内容をよく確認してから依頼する業者を決めるようにしましょう。
ごみ屋敷の片付けは、自分でできればそれが一番ですが、もしそれが出来ていたのなら、ごみ屋敷にはなっていなかったでしょう。
家族や友達に手伝ってもらうのも気が引けますし、その後の人間関係に影響がないとも限りません。
やはり、ごみ屋敷の片付けは、プロの業者に依頼するのが一番のおすすめです。
ゴミ屋敷清掃業者は、知識と経験豊富な専門のスタッフが、短時間で確実な片付けを行います。周りの人にばれないように作業することができるのも大きなメリットです。
ごみの処分やリサイクルまで行ってくれる業者も多いので、大変便利な上に効率的です。
費用が発生しますが、今のごみ屋敷から抜け出し、身軽になって新しい生活へ踏み出すことができると考えれば、決して高いものではありません。
ごみ屋敷の片付けに悩んでいる方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか?
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認知症がゴミ屋敷を生み出す原因とその対処方法についてお分かりいただけたと思います。
認知症が原因となるゴミ屋敷に患者を住まわせることは虐待に当たる可能性もあります。
認知症患者に適切なケアを行い、ゴミ屋敷を解消し、患者が衛生的で健康的な生活を送れるようにサポートしていきましょう。
記事を読んで、ゴミ屋敷についてもっと知りたいという方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。
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