テレビの回収を無料で行ってもらう方法

不要になったテレビの処分を考えていると、街中を走る不用品回収業者の車から「テレビの回収は無料です」と連呼する声が聞こえて来ることはありませんか？

無料という言葉には人間弱いもので、ついついその声に食いついてしまいそうになってしまいます。

しかし、無料でテレビを回収してくれる業者は安心なのでしょうか？

今回は、テレビを無料で回収してもらうリスクをお伝えしながらも、テレビが無料で回収できる仕組みやテレビの処分方法についてお伝えしていきたいと思います。

テレビの回収の社会的なルール

テレビは、家電リサイクル法（特定家庭用機器再商品化法）によって廃棄者の役割が定められています。つまり、ルールがあるのです。

家電リサイクル法では何が定められているの？

家電リサイクル法は、有用な資源の再利用を促し、廃棄物を減らすことを目的としています。家電リサイクル法では、テレビなどの廃家電製品の製造業者及び小売業者に義務が課し、廃棄者には家電4品目を廃棄する際に収集運搬料金とリサイクル料金を支払うことを役割として定めています。

家電4品目とは、テレビの他、家庭用エアコン、電気冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機を指します。テレビはブラウン管式テレビと液晶・プラズマ式テレビが対象です。

携帯テレビ、カーテレビなどは対象外です。ここでいう小売業者とは、家電量販店などの家電小売店や通販販売で家電製品を販売している事業者の他に、中古家電製品を取り扱う古物商、リサイクルショップなども含まれます。

廃棄者が負担する費用はどの位なの？

廃棄者が負担する費用は、小売業者への収集運搬料金+廃家電製品の製造業者の再商品化に掛かる費用（リサイクル料金）です。収集運搬料金とリサイクル料金は業者ごとに異なります。

ちなみに、テレビのリサイクル料金は、平成28年4月1日現在で表―1の通りです。リサイクル料金の詳細は、一般財団法人家電製品協会リサイクル券センターのリサイクル料金一覧で見ることができます。

（表―1）テレビのリサイクル料金（単位：円）

ブラウン管式テレビ（15型以下）	1,836～
ブラウン管式テレビ（16型以上）	2,916～
液晶・プラズマ式テレビ（15型以下）	1,836～
液晶・プラズマ式テレビ（16型以上）	2,916～

経済産業省　法令等のダウンロードー家電リサイクル法の概要
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/case2/case2_01.html

テレビを無料回収する業者の仕組み

テレビを無料回収と謳う不用品回収業者が無料で回収を行う理由は、「テレビの無料回収」をアピールしてテレビを回収しやすくするためです。

廃棄者の心理としては、有料で処分するより無料で回収してもらえる方を選びます。しかも廃棄する際の手間が省けます。

また、テレビを無料回収と謳う不用品回収業者は、無料で回収したテレビから利益を得ることができるのです。その方法を紹介します。

無料で回収したテレビから利益を得る方法 - その1

日本製のテレビは海外で高級品として人気があります。無料で回収されたテレビの中にはまだ十分に使えるものが多く、輸出している業者もいます。

輸出業者に無料で回収したテレビを転売するのです。こうすることで、無料で回収しても利益が得られるのです。

無料で回収したテレビから利益を得る方法 - その2

テレビにはお金に換えることのできる金属などが使われています。無料で回収したテレビから、これらを取り出してリサイクル業者に転売するのです。

こうすることで無料で回収しても利益が得られるのです。

テレビの無料回収が引き起こす社会問題

テレビを無料回収と謳う業者の中には、許可を得ずに廃棄物の収集や処分を行う業者がいます。

このような業者には無料回収してきたテレビを適正に管理できず社会問題を引き起こしている例があります。ご紹介しましょう。

テレビを買取すること自体は違法ではありませんが、依頼先を間違ってしまうとトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要になります。

テレビの無料回収で引き起こす不法投棄

テレビを無料回収と謳う不用品回収業者の中には、無料回収してきたテレビから転売できる金属などを取り出した後のテレビや無料回収してきて処分できなかったテレビを不法投棄して、環境破壊などを引き起こしている例があります。

テレビの無料回収で引き起こす火災

テレビを無料回収と謳う不用品回収業者の中には、無料回収してきたテレビから転売できる金属などを取り出した後のテレビや無料回収してきて処分できなかったテレビを野積みにして、火災を起こした例があります。

テレビの無料回収で引き起こす金銭トラブル

テレビを無料回収と謳う不用品回収業者の中には、テレビの回収を無料で行いますと言いながら回収する際に、交通費とか人件費という名目を付けて高額な金銭を要求してトラブルになる例が多く発生しています。

社会のルールに則ったテレビの処分方法

さて、ここまでは「テレビを無料で回収している」という業者の危険性を、無料で回収できる仕組みをご紹介してきました。

ここからは、社会のルールに則ったテレビも処分方法についてお伝えしたいと思います。

無料でテレビを回収してもらうのであれば、「売る」「譲る」以外の方法は無いと考えてもらって良いと思います。

もしテレビが壊れていたりするのであれば、潔く「捨てる」という方法を取るようにして下さい。

小売業者に回収してもらう

テレビを販売する小売業者には、不用となったテレビを回収する義務があります。テレビを買い替える際に、不用となったテレビを回収してもらうことができます。

一番簡単で安心な方法です。買い替えでなくても、不用となったテレビを購入した小売業者で回収してもらえます。

テレビの処分に掛かる費用は、リサイクル料+運搬料になります。

リサイクル料はテレビもタイプと大きさで変わりますが1,300〜3,000円で、運搬料金は500〜2,000円となりますので、おおよそ1,800〜5,000円が回収の幅になります。

自治体の指定取引所に持ち込む

自分で住んでいる市町村の指定取引所にテレビを持ち込んで廃棄を依頼することができます。

指定取引所の場所や営業日については、住んでいる市町村に問い合わせるか、一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターのホームページで確認することができます。

テレビの処分に掛かる費用は、リサイクル料のみになります。自分で持ち込むのですから運搬費は無料です。

自治体に問い合わせる

住んでいる市町村の廃棄物対策の窓口に相談すると、許可を持つ不用品回収業者を紹介してくれるところがあります。この場合のテレビの処分に掛かる費用は、リサイクル料+運搬料になります。

リサイクルショップに買い取りを依頼する

テレビが正常に作動し、条件に合うものであればリサイクルショップで買い取ってもらえます。

リサイクル料は支払う必要はありません。自分で持ち込めば運搬費は無料です。

許可を得ている不用品回収業者に回収を依頼する

収集や処分に関して許可を得ている不用品回収業者にテレビの回収を依頼する方法です。無料ではなく回収費用がかかりますが、中には買い取ってくれる不用品回収業者もいます。

テレビの処分に掛かる費用は、業者によって異なります。許可を得ている不用品回収業者の中にも金銭トラブルや不法投棄などの問題を起こす業者もいますので、注意が必要です。

不用品回収業者の選び方

不用品回収業者を選ぶにあたっては、自治体での許可の有無や数社から見積もりを取って適正な価格かを調べることは当然ですが、業者に直接会うか、電話をしてそのやり取りのなかで信用できる業者かどうか見極める必要もあります。