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投稿日:2017年06月24日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
特別養護老人ホームは全国に約9,500施設あるといわれており、約57万人の介護を必要とする高齢者の方が生活しています。
介護を必要とする人たちにとって最も重要なことは自分に一番合う施設選びです。自分の要求に合う施設を選択するためにも、正しい情報を集めることが大切です。
今回は数ある介護施設の中でも特に「特別養護老人ホーム」に焦点をあて、入所に必要となる費用や入所基準、また入所準備について詳しくご説明いたします。
特別養護老人ホーム(特養)は、介護保険が適用される「介護老人福祉施設」の一つです。
現在日本において、介護保険を利用しながら365日24時間体制で入浴や排せつ、食事の介助と介護、リハビリや、入居者の健康管理、日常生活のサポートなどの施設介護サービスが受けられる公的介護サービス施設です。
介護保険を利用して入所できる公共の介護サービス施設は現在3施設あります。
特別養護老人ホームは、社会福祉法人が運営している公的な介護サービス施設です。そのため、利用料の安さが魅力です。
老人保健施設などのように入所期間の上限はなく、寝たきりの状態であっても看取りまで介護サービスを受けられることが特徴です。
高齢者の人口がますます増え続け、独居の高齢者や、自宅での介護が難しいご家族もどんどん増加しています。現代日本にとってなくてはならない介護サービス施設だといえるでしょう。
下の図をご覧ください。介護保険が適用される「介護老人福祉施設」のサービスの違いを示しています。
特別養護老人ホームは要介護度が高い入居者向けの施設です。
そのため、多くの施設が終身制で看取りまでサポートしてくれます。一方で、サービスの中心は介護にあります。
介護老人保健施設と介護療養型医療施設が100人の利用者に対して1-3人の医師を常勤で配置する決まりになっている一方、特別養護老人ホームでは、医師は常勤/非常勤で1人の配置となっています。
看護師の配置数の規定も他の2つの施設よりは少なく、その代わり介護職員の数は多く設定されています。
そのため、医療ケアサービスは他の2施設よりも充実度は低いですが、介護ケアサービスは断然特別養護老人ホームのほうが充実しているといえるでしょう。
また、介護老人保健施設と介護療養型医療施設では、最終の目標が在宅復帰です。
そのため、施設自体はあくまでも一時的利用で終身利用ではありません。より早い在宅復帰を目指すため、リハビリテーションのプログラムも充実しています。
一方、日々の楽しみであるリクリエーションなどのイベントは充実していません。
特別養護老人ホームは看取りまでの終身利用を見越しています。終の棲家として、自宅にいるように、もしくはそれ以上に質のたかい余生を楽しんでもらうために、利用者の方々の日々の楽しみが得られるような工夫がされています。
季節ごとのイベントや、カラオケ大会・手芸などがそのリクリエーションの一つです。
終身制 | 医療・看護ケア | 介護ケア | リハビリ | レクリエーション活動 | |
特別養護老人ホーム | ◎ | △ | ◎ | △ | ◎ |
介護老人保健施設 | ×(△) | ◎ | 〇 | ◎ | △ |
介護療養型医療施設 | ×(△) | ◎ | 〇 | ◎ | △ |
◎:対応力抜群 〇:対応している △:あまり対応していない ×:非対応
介護施設は様々ありますが、施設が異なれば入所基準も異なります。特別養護老人ホームの入所基準にはどのようなものがあるのでしょうか?一般的に、特別養護老人ホームの入所基準は以下のように定められています。
特定疾病と特例の一例 | ||
特定疾病一例 | がん | 脊髄小脳変性症 |
関節リウマチ | 脊柱管狭窄症 | |
筋萎縮性側索硬化症 | 早老症 | |
後縦靱帯骨化症 | 多系統萎縮症 | |
骨折を伴う骨粗鬆症 | 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 | |
初老期における認知症 | 脳血管疾患 | |
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】 | 閉塞性動脈硬化症 | |
慢性閉塞性肺疾患 | 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 | |
特例入所の条件 |
1)認知症であり、日常生活に支障をきたすような症状・行動・意思疎通の困難さが頻繁にみられる 2)知的障がい・精神障害を伴い日常生活に支障をきたすような症状・行動・意思疎通の困難さが頻繁にみられる 3)家族による深刻な虐待の恐れがあり、心身の安全・安心の確保が困難な場合 4)単身世帯である、同居家族が高齢・病弱であるなどにより、家族等による支援が望めず、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分である場合 |
特別養護老人ホームは現在増え続ける需要に対応して新設されてはいるものの、入居までに時間がかかるという問題があります。
2015年4月より、待機者が多いことなどを理由に入居基準の一つである要介護度が3以上と引き上げられました。
そのため、待機者の数は減少しましたが、2015年4月以前の要件では入居できていた人ができなくなっています。
現行の入居基準に合う人はいいですが、今までの基準で入居が可能であった人たちにとっては厳しい制度の改正です。
しかし、あきらめることはありません。特別養護老人ホームの入居を判定する際に最も考慮される点は「緊急性」です。
特別養護老人ホームは有料老人ホームのように、申し込み順でだれでも入れるシステムではありません。
利用希望者とそれを支える家族の現状を詳しく、出来るだけ具体性を高めて報告し、判定者がそこに緊急性を見出すことが重要となります。
上記の一般的な入居基準を満たしていない場合でもやむを得ない事情がある場合、入居を早めてくれる可能性があります。ケアマネージャーや相談員、市町村に相談してみましょう。
緊急性が高く、やむを得ない事情とみなされる条件の一例は以下の通りです。
入所基準の次に気になるのは、やはり特別養護老人ホームを利用する際に必要となる費用ですよね。
特別養護老人ホームは、公的な施設です。そのため、有料老人ホームと異なり費用は比較的安価に設定されています。初期費用は必要ありません。
特別養護老人ホームでは部屋のタイプと、要介護度の重さで月の利用料が変わります。
さらに、入居者やその家族の所得に応じて利用料減額の可能性がありますので、経済的に不安な方は一度ソーシャルワーカーや施設に相談してみることをお勧めします。
近年主流な部屋のタイプは、多床型とユニット型個室の2種類です。
多床型は病院の相部屋のような形で、ユニット型個室は小さな個室になっており利用者のプライベート空間がより尊重された作りとなっています。
ユニット型個室では、院内感染の可能性が軽減でき、さらに利用者同士のトラブルも軽減できます。
特別養護老人ホームに入居した際、利用者が支払う費用は、居住費、食費、その他費用、そして介護サービス費となります・介護サービス費は介護保険でその9割が賄われますので、自己負担額はサービス費全体の1割です。多床型では以下のような内訳になります。
項目 | 利用料 |
居住費 | 約25,000円 |
食費 | 約41,000円 |
介護サービス費(1割負担) | 約15,000円-25,000円(介護度によって変動) |
合計 | 約81,000円〜91,000円(地方自治体に差がある) |
ユニット型個室では、多床型よりも居住費が割高になります。
その分、利用者の個人空間が尊重されより自宅に近い感覚で日々を過ごすことができます。
利用する方にプライベートな空間を与えてあげたい、ほかの利用者とのトラブルが心配だ、という時にはユニット型個室を選ぶほうがよいでしょう。
項目 | 利用料 |
居住費 | 約58,000円 |
食費 | 約41,000円 |
介護サービス費(1割負担) | 約17,000円〜27,000円(介護度によって変動) |
合計 | 約116,000円〜126,000円(地方自治体によって差がある) |
特別養護老人ホームは全国に9,500か所ありますが、入りたくても入れない待機者も多くいます。
2014年の制度改正によって待機者は減少したといわれていますが、それでも日本全国でいまだ36万5,000人の待機者がいるといわれています。
申し込みをしてもすぐには入居できない、特別養護老人ホーム。入居待ちをしている間どのように過ごすのがよいのでしょうか。
自宅での介護が困難な場合、要介護度1-2の人でも入居ができる老人保健施設への短期入居を検討しましょう。
老人保健施設は、自宅復帰を目標にしたリハビリを中心とした介護サービス施設です。
看取りまでサポートしてくれることはありませんが、最大6か月-1年半入居ができますのでご家族の介護の負担が大幅に減ります。退去を求められた場合には、施設を変更して転居するとよいでしょう。
要介護度が低くて、入居待ちになったという方はデイサービス・ショートステイも一つの手です。
午前中に施設の送迎者が迎えに来てくれて、夕方に送り届けてくれるデイサービスでは日々のリクリエーションも豊富で利用者が楽しく毎日を過ごすことができます。
日中は仕事に行かなければいけないご家族にとって、デイサービスはとても良いシステムです。
毎日介護に明け暮れて大変、旅行も行きたい、息抜きをしたいという方はショートステイのサービスを利用しましょう。
ショートステイでは最長1ヵ月、介護施設に宿泊することができます。どうしても介護に手が回らない時や、息抜きをしたいという時にはこのサービスを利用しながら入居待ちをするとよいでしょう。
もう一つの入居待ちの手段は、有料老人ホームに入居するということです。
有料老人ホームは、特別養護老人ホームよりも月の利用料が高額でまたまとまった額の初期費用が必要となります。
しかし、介護サービスはとても充実しており、利用者が質の高い生活を送れるためとても人気です。経済的に余裕のある場合には、特別養護老人ホームの入居待ち期間、一時的に有料老人ホームに入居するという選択肢も考えてみましょう。
申し込む施設の地域を変更してみるという方法も考えられます。
現在日本全国の特別養護老人ホーム入居待機者は約36万5,000人とされていますが、実は地域によってその待機者数には大きな違いがあります。
例えば、要介護3以上の待機者が最も多い地域は東京都です。
約25,000人の待機者がいます。次いで、神奈川県が約16,000人、兵庫県が約15,000人と続きます。大
都市では待機者数が多い傾向にありますが、一方地方では徳島県が約1000人、群馬県では約5,000人となっています。
県をまたいで申し込む地域を申請する必要はありませんが、都市部よりも郊外に立地する特別養護老人ホームのほうが待機者数が少ない可能性があります。
長期間待たされている場合には、地域を変えて申し込みをしてみましょう。
特別養護老人ホームに入居する際は入居一時金は必要ありません。
特にまとまったお金は必要ありませんが、施設内で自分が使用する衣服や、小物などをそろえる資金が少し必要となるでしょう。それまで住んでいた住居の処分をどうするかということも大きな問題になります。
これを機会に現金としての資産だけではなく、有価証券や動産、不動の整理も行うことをおすすめします。
これら資産の管理については、専門的な知識を持つファイナンシャルアドバイザーや税理士に相談すると良いでしょう。金銭的に厳しい場合は、医療費控除やその他の金銭的な補助を受けられないかあらかじめ施設担当者に相談します。
特別養護老人ホームに入居する前には家財の整理と不用品の処分を行いましょう。
これは生前整理と呼ばれ、家の中の不用品を処分することでこれからの生活をより便利に、健康的にしていくための重要なプロセスです。
生前整理を行うことで、今後の心配をする必要がなくなり、特別養護老人ホームでの新しい暮らしがより快適なものになるでしょう。
生前整理は時間的・体力的に大きな負担になります。高齢者のみで行わず、子供世代、孫世代の助けを借りることをおすすめします。
高齢者が生前整理を行う場合に一番障害になるのが高齢者特有の「もったいない精神」です。
今は使っていなくても、まだ使えるものは取っておきたい気持ちがあると思いますが、ここではまず、その「もったいない精神」を捨てて、「今使うもの」以外は思い切って処分してしまいましょう。
こうして生前整理を行った結果、出た不用品は自治体のルールに則って処分するようにしましょう。
生前整理を行いたいけれど、人手や時間が確保できない、または住まいが広すぎたり、不用品が多すぎてどこから手を出していいかわからないといった場合には、生前整理業者に作業を依頼することをおすすめします。
生前整理業者は、まず住まいの中から通帳や印鑑、有価証券や貴金属などの貴重品をピックアップしてくれます。
その後、家財の中から不用品を取り分けて処分してくれます。
古新聞や段ボールなど明らかな「ゴミ」は業者が処分してくれますが、家具や衣類、食器や調理器具などの仕分けは本人立会いの下で行えばトラブルを避けることができます。
生前整理業者によっては、古物商の許可を持っている業者もいるので、不用品の中から値段が付くものがあれば買取を行ってくれます。その買取分は、作業料から差し引いてくれるので、お得に生前整理を行うことができる場合もあります。
そのほかにも業者によっては、女性スタッフの派遣や生前整理後の住居の清掃などさまざまなサービスをオプションとして選ぶことができることもあります。自分がどのような形で生前整理を行いたいかを明確にし、ニーズを確実に満たしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
全国に生前整理業者は9,000社以上あると言われています。その中には相場とかけ離れた価格を要求してくるなどの悪質な業者がいます。
この記事を執筆しているオコマリでは、お客様に安心して生前整理を行ってもらうために、全国一律料金で追加料金一切ナシの定額パックプランを業界で初めて提供しています。
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特別養護老人ホームに入所する際必要となる費用や入所基準、また入所準備について説明いたしました。
特別養護老人ホームとは、入浴や排せつ、食事の介助と介護、リハビリや、入居者の健康管理、日常生活のサポートなどの施設介護サービスが受けられる公的介護サービス施設でした。
入居までに時間がかかる場合が多いので、正しい情報を収集し、自分に合った施設を選択しましょう。
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