本文へ移動

遺品整理の費用・業者選び
地域情報をまとめた専門ガイド

遺品整理で開業するには?資金の目安・資格や許可の確認と準備の流れ

PR本ページはプロモーションを含みます

遺品整理の開業準備は、どの作業を、どの地域で、誰が担当するかを決めるところから始まります。

たとえば、整理と清掃は自社で行い、家庭ごみの運搬は許可を持つ事業者に任せるという分担もあります。分担の決め方によって、必要な許可も資金の額も変わります。

民間資格の取得や開業届の提出だけでは、すべての業務を行える状態にはなりません。業務ごとの許可と処理の経路、初期費用と運転資金、個人と法人の届出、作業と契約の体制、集客の準備を順に確かめてください。そうすることで、受けられる仕事の範囲を判断しやすくなります。

遺品整理の開業は業務範囲と事業形態から決める

最初に決めるのは、提供する作業の範囲と事業の形です。何を自社で行い、何を外部に任せるかによって確認先が変わります。

個人か法人か、フランチャイズに加盟するかによっても、契約や手続きが変わります。

自社で行う作業と外部へ任せる業務を分ける

まず、想定する作業を業務ごとに分け、自社と外部のどちらが担うかを書き出します。次の表は、担当を決めるときに確認したい範囲を業務ごとに並べたものです。

業務担当の考え方確認する範囲
室内の整理・仕分け・清掃自社で行うかを人員と時間から判断作業内容、対応地域、清掃の範囲
家庭ごみの収集運搬自社か、許可を持つ事業者かを決める地域の許可・委託の状況、実際に運ぶ事業者
品物の買取・販売自社で行うか、外部へつなぐかを決める古物商許可の該当性、申請する名義
家財の有償配送など追加するかを個別に判断運送事業としての届出の該当性

対応しない作業を最初に決めておくと、問い合わせの段階で依頼者に伝えられます。営業地域を広げる場合は、地域によって許可や処理の経路が変わることがあるため、担当を見直してください。

依頼者に提供する遺品整理のサービス内容と基本的な進め方を、自社のどの工程で担うのかも併せて確認しておくと、見積もりの範囲を決めやすくなります。

個人・法人と独立・フランチャイズを別々に考える

個人か法人かは、事業の主体の選択です。一方、独立して始めるかフランチャイズに加盟するかは、運営方法の選択です。二つは別の軸なので、個人でフランチャイズに加盟することも、法人で独立して始めることもあります。

公正取引委員会は、フランチャイズの加盟者を本部から独立した事業者と位置づけています。そのうえで、加盟時の費用、指導や支援の内容、ロイヤルティ、契約期間や解約の条件などを本部が示すことが望ましいとしています。

加盟を検討する場合は、支援の有無だけで判断しないでください。研修や営業支援の具体的な内容と回数、費用の負担、契約終了時の扱いを契約資料で確かめる必要があります。

資格と許可は実際に行う業務ごとに確認する

遺品整理の開業に関わる資格や許可は、対象とする業務によって異なります。学習のための民間認定、家庭ごみの収集運搬、古物の買取・販売、家財の配送などの追加業務に分けて考えてください。そのうえで、自社が行う業務に合う条件を一つずつ確かめます。

遺品整理士は学びのための民間資格

遺品整理士は、一般財団法人遺品整理士認定協会が養成と認定を行う民間資格です。協会は、教本や資料、実務の映像、課題などを使った養成講座を案内しています。レポートの提出期間は2か月が目安とされています。延長の扱いを含め、申込時の案内を確認してください。

認定は、業務に関わる知識を学ぶ機会になります。ただし、門真市は遺品整理士の資格ではごみの運搬や処分はできないと案内しています。家庭ごみの扱いや買取は、資格とは別に、許可や処理の体制を確認する必要があります。

家庭ごみは地域の収集運搬ルールに合わせる

家庭から出た不要な品を事業者が収集運搬する場合は、その地域で認められた許可や委託の体制が関わります。

環境省の家庭ごみと無許可の回収業者に関する案内では、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可などが必要だと説明されています。産業廃棄物処理業の許可や古物商許可では、家庭ごみを回収できません。

家電やパソコンなども、品名だけで産業廃棄物と判断できるものではありません。どこから出た物かを踏まえ、自治体の案内で区分を確かめてください。

許可業者との提携を掲げる場合も、実際に誰が運ぶかを確認する必要があります。門真市は、許可業者と提携していると表示しながら、清掃や買取に来た無許可の業者がそのままごみを運ぶ例に注意を呼びかけています。自社が許可を持たない場合、提携を表示していても、自社で運んでよいことにはなりません。

地域による違いも大きく、横浜市は既存事業者で適正な処理を確保できるとして、一部を除き一般廃棄物収集運搬業の新規許可を行っていないと案内しています。

同市の遺品整理や家の片付けを依頼する際の注意点では、費用を払って不用品を処分する場合、排出者と許可業者が直接契約する必要があるとされています。

その契約を遺品整理業者へ委任することはできるとされています。これらは横浜市の条件であり、ほかの自治体で同じ扱いになるとは限りません。

営業予定の地域ごとに、次の点を自治体の窓口や公式案内で確認してください。

  • 営業地域:対象とする市区町村と、地域ごとの収集運搬の仕組み
  • 対象と処理経路:品目ごとの出し方と、許可業者や自治体の収集などの経路
  • 実運搬者:実際に運ぶ事業者の許可・委託の有無と対象区域
  • 契約・委任:依頼者と運搬する事業者の契約関係と、自社が担う役割

買取・販売を行うなら古物商許可を確認する

買い取った品を販売する、依頼を受けて品物を販売し手数料を得る、といった営業を行う場合は、古物商許可が必要かを確認します。愛知県警察は、こうした取引を許可が必要な例として挙げています。

自分で使っていた品を売る場合とは扱いが異なります。無料の引き取りなどの名目にしても、確認が不要になるわけではありません。

警視庁の古物商許可申請の案内では、申請先は主たる営業所の所在地を管轄する警察署とされ、申請手数料は19,000円と示されています。これは警視庁の申請手数料の例であり、書類の取得費などを含む開業費用の総額ではありません。

必要書類は個人と法人で分かれており、法人では定款や登記事項証明書なども求められます。申請する名義、営業所、管理者を決めたうえで、管轄の警察署に確認してください。

フランチャイズ本部が許可を持っていても、加盟者自身の営業にそのまま使えるとは限りません。自社での申請が必要かを確かめておきましょう。

家財の配送や特殊清掃を追加するときの確認先

家財を有償で運ぶ配送を加える場合、荷主の荷物を軽自動車などで運び運賃を受け取る貨物軽自動車運送事業に当たることがあります。該当すると、開始前の届出や安全管理が求められます。

車種や実際の運び方で該当するかが変わるため、運輸支局に確認してください。この届出は、廃棄物の運搬許可の代わりにはなりません。

特殊清掃などを加える場合は、特殊清掃と遺品整理で異なる作業範囲を踏まえて判断します。自社の技能と体制で対応できる範囲と、外部へ任せる作業を決めてから検討してください。

開業資金は初期費用と運転資金に分けて見積もる

初期費用の目安は、使える設備や事業の規模によって大きく変わります。開業後は、入金までの支払いに備える運転資金も別に見込んでおく必要があります。規模別の概算例、運転資金の考え方、調達方法の順に確認してください。

事業規模別に初期費用の目安を確認する

初期費用は、すでに持っている車両や道具を使えるかどうかで変わります。新たに購入・契約するものが増えるほど、金額も大きくなります。

一般社団法人全国遺品整理業協会は、開業時の条件ごとに初期費用の概算例を公表しています。次の表は、同協会が示す想定モデルをもとに、自分の計画で確認したい点を加えたものです。

開業時の条件初期費用の概算例自分の計画で確認すること
小規模に始める50万〜100万円程度車両や道具を既に使えるか、自宅を拠点にできるか
車両を新たに購入する100万〜200万円程度車種・状態・購入条件と、車両以外の準備費
スタッフの雇用や倉庫を伴う200万〜300万円以上必要な人員・拠点と、契約時の費用・継続費用

表の金額は、特定の設備や事業体制を想定した概算例です。業界全体の平均開業費用ではありません。条件に当てはまれば必ずこの金額で開業できるわけでもなく、運転資金は別に必要です。

まず、車両、作業道具、梱包資材、拠点、保険、手続き、情報発信などのうち、自分の事業に必要なものを洗い出してください。

そのうえで、実際の見積もりで金額を確かめます。フランチャイズに加盟する場合や、特殊清掃の設備を用意する場合は、この例とは別に費用を確認する必要があります。

入金前の支払いを見込んで運転資金を確保する

初期費用を支払った後も、顧客からの入金までの間に家賃や人件費、車両の維持費などの支払いは続きます。全国遺品整理業協会は、毎月の固定費を20万円とし、6か月分を見込むと120万円になるという例を示しています。

仮に初期費用を100万円とすると、固定費6か月分と合わせて220万円になります。ここでの100万円は説明のための仮定であり、実際の平均額ではありません。また、6か月分や220万円は、誰にでも必要な基準でも、確実に足りる額でもありません。

案件ごとの外注費や処理費、予備費、個人の生活費は別に確かめてください。受注が少ない月や、支払いが入金より先になる月も想定し、月ごとの資金の動きを確認しておきましょう。

融資と補助金は入金条件・時期を分けて考える

不足する資金は、調達方法と、実際にその資金を使える時期を合わせて確認します。日本政策金融公庫の創業向け融資は、設備資金と運転資金を調達する方法の一例です。ただし、事業計画をもとに審査が行われるため、希望どおりに借りられるとは限りません。

補助金は、中小企業基盤整備機構の小規模事業者のための補助金Q&Aによると、採択と交付決定が別の段階です。原則として、交付決定前に発注した経費は対象外になります。

多くの補助金は、事業者が先に支払い、事業完了後に受け取る仕組みです。対象者や対象経費、支払いの時期は制度ごとに異なるため、個別の公募要領で条件を確かめてください。

売上・利益・手元資金を分けて収支計画を立てる

開業後に事業を続けられるかは、売上の額だけでは判断できません。日本政策金融公庫の収支計画の考え方では、売上、売上原価、経費、利益を分けて考えます。それぞれの予測に根拠があるかを確かめてください。

売上の見込みは、提供する作業の単価と受注件数から組み立てます。件数は、自社の人員と作業時間で実際にこなせる量を上限に考えます。売上から外注費、処理費、人件費、車両費、広告費などを差し引いたものが利益です。

売上の全額が事業主の収入になるわけではありません。買取代金や処理費の会計・税務上の扱いは状況によって異なるため、必要に応じて税理士などに確認してください。

利益が出ていても、入金が遅れたり借入れの返済が重なったりすると、手元の現金が不足することがあります。入金、支払い、返済の時期を並べ、現金がいつ減るかも確かめておきましょう。

フランチャイズ本部から収益の見込みが示された場合は、既存店の実績に基づく予想なのか、一定の条件を置いたモデルなのかを確認します。

公正取引委員会も、予想売上や予想収益を示す場合は、根拠のある事実と合理的な算定方法によることを求めています。その前提が自分の地域や体制に当てはまるかを検討してください。

税務上の届出は個人と法人で分けて確認する

税務署への届出は、事業の主体と希望する申告制度によって内容や期限が変わります。作業に必要な許可とは別の手続きなので、開業届を出しただけで全業務を行えるようになるわけではありません。

個人の開業届と青色申告は期限が異なる

個人で始める場合の主な届出と申請を、期限の考え方で比べると次のとおりです。

届出・申請対象期限の考え方
個人事業の開業届新たに事業を始めた個人事業開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで
青色申告承認申請青色申告を希望する個人原則その年の3月15日まで。1月16日以後に新たに事業を始めた場合は開始日から2か月以内

これらの期限は、国税庁の新たに事業を始めたときの届出の案内で示されています。過去の年分に関する提出、事業の承継、期限が休日に当たる場合などは扱いが変わることがあります。

提出先や提出方法とあわせて、最新の案内を確認してください。青色申告は希望する人が申請する制度で、すべての人に必要な手続きではありません。

法人設立後は法人向けの届出を確かめる

株式会社や合同会社などを設立して事業を行う場合は、個人の開業届ではなく、法人向けの届出を確認します。

国税庁は、普通法人などを設立した場合、設立登記の日以後2か月以内に法人設立届出書を提出し、定款等の写しなどを添付するよう案内しています。

法人の青色申告には別の期限と条件があります。給与の支払いや消費税に関する届出も、自社の状況に応じて確認してください。

初めての依頼を受ける前に作業と契約の体制を整える

最初の依頼を受ける前に、自社で実行できる作業の範囲と、依頼者との確認や報告の方法を整えておきましょう。

受けられない案件を見分けやすくなります。準備は、作業の体制と、見積もりや品物の扱いの合意の二つに分けて考えます。

作業経験と人員・安全面の備えを確認する

研修で学んだ内容は、自社が予定する作業を実行できるかの確認につなげて考えます。作業経験と実施できる範囲、必要な人員と作業時間、人手が足りない日の応援や外部の担当先を事前に決めておくと、受注の可否を判断しやすくなります。

事故や破損が起きた場合の連絡の流れも決めておきましょう。保険に加入する場合は、補償の対象となる作業や損害、対象外となる条件、外部に任せた作業の扱いを契約内容で確かめてください。

見積り・保留品・作業変更の合意を準備する

国民生活センターは遺品整理を頼むときの注意喚起で、依頼者に向けて次の点を呼びかけています。

作業日や作業内容、料金、支払い方法、解約料、追加料金を事前に確認すること、残す品と処分する品を明確に分けることです。事業者側でもこうした確認ができるよう、受注前に次の項目を準備しておくと、依頼者との行き違いを減らせます。

  • 作業日、具体的な作業範囲、料金、支払い方法、解約時の扱い
  • 保存を希望する品と判断を保留する品、作業中に見つかった物の連絡方法
  • 追加作業や費用の変更について、事前に合意を得る方法
  • 完了時の報告と、保管した品の引き渡し方法

品物を残すかどうかは依頼者側が判断する事項です。相続や所有の判断を事業者が代わりに行うものではないため、依頼者側で判断の窓口となる方を確認しておきましょう。

起こりやすい行き違いの傾向は、遺品整理サービスで起こる問題と相談先も踏まえ、自社の説明内容に反映できます。

集客は対応範囲と受けられる件数に合わせて準備する

集客の準備は、自社が対応できる顧客、地域、サービス、連絡方法を決めることから始めます。

対応できない作業や地域の問い合わせを集めてしまうと、見積もりの段階で断ることになり、獲得にかけた費用が無駄になりやすいためです。主な受注経路ごとに確かめたい点は次のとおりです。

  • 自社のホームページなど:提供範囲、対応地域、料金の考え方、問い合わせ方法が実際の体制と一致しているか
  • 紹介:紹介元との条件や費用、紹介される案件の範囲を自社で受けられるか
  • 事業者の掲載サイト:掲載の条件や審査、費用、問い合わせへの対応方法

どの経路でも、掲載や登録をしたことと、依頼が成立することは別です。開業前は実績や口コミがないため、事例を作らず、対応できる作業と担当を具体的に示しましょう。

その方が依頼者にとって判断材料になります。受けられる件数は人員と作業時間で決まります。問い合わせが増えたときに見積もりや作業へ対応できるかを考え、経路の数や費用を調整してください。

よくある質問

通常の開業準備とは条件が異なる場面として、個人から法人へ移る場合の古物商許可と、資格取得後に掲載サイトを利用する場合の疑問を取り上げます。

個人で取得した古物商許可は法人化した後も使えますか?

法人として古物商を営む場合は、個人の許可をそのまま使うことはできません。京都府警察は、法人として新たに許可を申請する必要があると案内しています。

住所や役員の変更などで行う通常の変更届とは扱いが異なります。個人の営業をいつまで続け、法人の営業をいつから始められるかは、管轄の警察署に確認してください。

遺品整理士を取得すればすぐに集客サイトへ掲載できますか?

資格を取得しただけで掲載が決まるわけではありません。掲載サイトごとの会員登録や審査などの条件を、別に確認する必要があります。

たとえば、遺品整理士認定協会の案内では、協会の優良企業としての掲載に、資格者の在籍、法人会員としての登録、審査が挙げられています。

関連する掲載サイトでは、さらに審査があるとされています。掲載されても依頼が保証されるわけではないため、費用や対象条件もあわせて確かめてください。

まとめ

遺品整理の開業は、提供する業務と営業地域、自社と外部の担当を決めることから始まります。

そのうえで、業務に必要な許可や処理の経路、資金、体制がそろっているかを確かめて判断します。民間資格や開業届は準備の一部であり、それだけで家庭ごみの運搬や買取まで行えるわけではありません。

判断の材料になるのは、次のような点です。営業地域で家庭ごみを誰がどの経路で運ぶか、初期費用と運転資金を自社の条件で見積もれているか、利益と手元資金の両面で事業を続けられるか、受注した仕事を実行できる人員と契約の準備があるか、を確かめてください。

まずは担当を書き出した表をもとに、自治体や警察署、税務署へ確認する事項と、見積もりが足りない費目を一つずつ埋めていくことから始めてください。

地域から探す 無料で見積もり比較