高級な介護施設として注目を集める介護付き有料老人ホームは、東京都内や神奈川県内、京都や神戸などに多くあります。

ここでは、高級な介護施設とはどのようなところなのか、また費用だけでなく介護の手厚さなどについても比較して紹介していきます。

目次

• 高級な介護施設としての有料老人ホーム
• 話題の高級有料老人ホームとは？
• 高級な介護施設に入居するメリット・デメリット
• 高級な介護施設に入居が決まったら
• 「高級介護施設とは」まとめ

高級な介護施設としての有料老人ホーム

有料老人ホームは、介護付有料老人ホーム（特定施設入居者生活介護）、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3つに分類できます。

介護付有料老人ホームは、老人福祉法に定められた人員基準やバリアフリー設備の完備など、運営基準が厳格です。都道府県から、特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームのみ「介護付」有料老人ホームと呼ぶことができます。

この指定を受けていると、1日当たりの介護保険額が定額となるため、事前に費用が確定できるというメリットがあります。

住宅型有料老人ホームでは、通所介護や訪問介護など、在宅介護保険サービスを利用できます。いいかえれば、介護サービス選択の自由度が高いというメリットがあります。

健康型有料老人ホームは、レクリエーションや設備が充実している施設のことで、生活の補助は職員が行いますが、介護度が高くなると退去させられることもあります。

いわゆる高級な有料老人ホームとは、住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームをさすことが多いのですが、最近では介護付有料老人ホームを併設しているところも多く、身体の介護だけでなく、認知症にも対応している介護施設も増加傾向にあります。

	介護付有料老人ホーム	住宅型有料老人ホーム	健康型有料老人ホーム
入居金	入居金0～数千万円	入居金0～数千万円	0～数億円
月額利用料	12～30万円	10～25万円	10万～40万円
入居条件	65歳以上 介護専用タイプでは要介護度1以上	60歳以上 自立から要介護まで	60歳以上 自立から要介護まで 認知症対応なし
介護サービス	あり	外部サービスと連携	外部サービスと連携
退去の有無	なし 終身利用可	あり	あり
特徴	常駐スタッフによる介護サービス。 リハビリ用の機能訓練が充実。 全館バリアフリー。 介護を提供するための施設。	レクリエーションやイベントが多い。 外部の介護サービスを自由に選択できる。 介護サービスを利用すればするほど費用がかかる。	レクリエーションや設備が充実している。 基本的に自立した人の受け入れ中心。 サービスは、見守り、食事・掃除・洗濯の世話、緊急時の対応中心。

話題の高級有料老人ホームとは？

それでは、高級な有料老人ホームとはどんなところなのでしょうか。

入居金が1億円以上、月額利用料が100万円を超えるところも珍しくありませんが、ワンランク上のシニアライフを送るための必要経費と割り切って考える入居者も多いようです。

高級で、介護施設も充実している有料老人ホームの場合、入居率100パーセントのために入居待ちが出ている施設もあるほどです。

サクラビア成城

3億円を超える入居金が話題のサクラビア成城は、その名の通り、世田谷区成城という高級住宅街にある有料老人ホームです。

豪華な設備と月平均3回以上のイベントがあるため、健康で自立した方を対象としているイメージが先行していますが、実は介護体制も手厚い施設です。

「生涯介護」を掲げ、他の施設に転居する必要がありません。また、入居者1.5人に対して介護職員1人以上という職員体制になっており、介護職員は24時間常駐しています。

看護師や医師も24時間常駐しているほか、高度医療や手術などは、東京女子医科大学病院や近隣の高度医療機関と連携しています。

1988年のオープン以来、入居者の生活重視の対応を行っており、入居者の年齢に応じたトレーニングや筋力増強、リハビリなどを行っています。

食事メニューも充実していて、レストランで食事するかのように毎日自由に選べることも、この施設が人気の理由です。

また、運営会社にはセコムが出資していることもあり、見守りサービスには定評があります。

サクラビア成城は、まるで高級ホテルで生活しているかのような有料老人ホームです。

トラストグレイス御影

神戸を代表する高級な有料老人ホームといえば、トラストグレイス御影です。

「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づく終身建物賃貸借契約が可能なサービス付き高齢者向け住宅です。神戸市の許可を受けており、60歳で入居したら、終身利用が可能です。

看護師が24時間365日常駐し、「トラストクリニック御影」が館内に併設されています。緊急時には、近隣の医療機関が速やかに対応できる協力体制も整っています。

介護付き有料老人ホーム（介護棟）も併設されており、介護が必要になった場合には移動することも可能です。

希望があれば、ケアマネージャーがケアプランを作成し、連携する訪問介護事業所のサービスも利用できます。

アリスタージュ経堂

京王グループが運営をしている介護付有料老人ホームです。都心の利便性とともに、認知症も相談可能というサービスの幅が人気の理由です。

介護職員は24時間常駐、入居者1.5人に対して介護職員1人以上という手厚さです。食事は京王プラザホテルのシェフがつくる特別な家庭料理となっています。

体力維持のための運動メニューや、バスツアーや園芸など、充実した趣味関連メニューもそろっています。

要支援から要介護2までは一般の居室、要介護3以上は介護専用の居室での生活となります。ひとりずつ利用できる広々スペースの浴室も設置されています。

ロングライフ苦楽園 芦屋別邸

苦楽園は関西を代表する高級邸宅街のひとつです。24時間365日のヘルスケアはもちろん、各居室にはナースコール完備、協力医療機関と24時間の連絡体制をとっています。

認知症の方も受け入れ可、要介護5まで入居可能となっています。定員35人と小規模なこともあり、スタッフの行き届いたサービスに定評があります。

高級な介護施設に入居するメリット・デメリット

それでは、ここからは高級な介護施設に入居するメリットとデメリットについてをお伝えしていきましょう。

高級な介護施設に入居するメリット

民間企業が運営している有料老人ホームは、公的施設である特別養護老人ホームにはない多くのメリットがあります。

メリット1．生活の自由度が高い

民間企業が運営しているため、入居者やその家族からの評判が良くなるようなサービスを導入しています。

その最たるものが、入居者のライフスタイルを尊重することです。

公的な介護施設がマニュアル重視であるのに対し、個人に寄り添い、生活の質を高めるためのサービスを提供しています。

メリット2．居室タイプが豊富で共有スペースが充実している

入居金や月額利用料に応じて居室の広さやタイプが選べ、ロビーや喫茶室・遊戯室などの共有スペースが充実しています。

高級マンションのようなコンシェルジュサービスが付帯している施設が多く、家族や友人とともに過ごせるスペースも完備されていることも少なくありません。

メリット3．イベントやレクリエーションが豊富

誕生日のような個人的なイベントから、バスツアーや観劇、音楽会といったレクリエーションまで、幅広く豊富なメニューがあります。

また、体調管理や筋肉維持などのための運動メニューやリハビリメニューなどを広く行っている点も、高級な介護施設の特徴です。

メリット4．介護度によるフロア分け

健康で自立している人と、介護度が高い人や認知症の人など、フロアや居住棟を変えることで、どちらにもストレスの少ない生活を提供しています。

入居者の価値観や生活習慣を尊重することを第一に考える有料老人ホームならではのきめ細やかな心遣いといえます。

メリット5．介護サービスはもちろん医療も充実

介護職員または看護職員が、入居者数1.5人に対して1人以上と介護サービスの質が高いことも有料老人ホームに入るメリットです。

また、高級な介護施設では、クリニックが併設されていたり、看護師や医師が常駐していたり、医療面での充実が図られています。

高級な介護施設に入居するデメリット

高級な介護施設に入居するデメリットは、入居金や月額利用料が割高なことにつきます。

しかし、割高でも質の高い生活を求める方や、充実した介護サービスを求める方にとって、特別養護老人ホームよりも安心できる点が多いことは間違いありません。

高級な介護施設に入居が決まったら

高級な介護施設に入居が決まったら、当然ながら引っ越しをすることになります。ここでは、入居前に考え、やっておいたほうが良いことを紹介します。

持ち家の対応

持ち家を売却するかどうか、考える方も多いと思います。

居住用の住宅を売却すると軽減措置があり、節税が可能です。住まなくなった日から3年目の12月末日までに売却できれば、譲渡益から3000万円控除できるという軽減措置が受けられます。

売却するかどうか迷っている場合には、税理士や司法書士など、相続の専門家に相談してはいかがでしょうか。相続を前提とした持ち家の有効利用なども検討することで、お金にまつわるトラブルを回避することが可能になります。

生前整理

生前整理とは、生きているうちに身の回りを整理することです。

生前整理は、人生を振り返りながら自分で少しずつ行うことが理想的です。しかし思い出をめくりながら進めていては時間がかかるため、専門の業者に依頼して一気にまとめて片づける方も少なくありません。

専門業者は数多く存在しますので、ネットで検索すれば、専門業者をリストアップすることができます。

なかには悪質な業者もいますので、生前整理業者選びはしっかりと行いましょう。

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エンディングノートを書く

生前整理とともに、高級介護施設へ入居するまえにエンディングノートを書いておきたいものです。

財産目録を作ったり、遺品の行先リストを作成したり、家族一人一人へのメッセージを書き留めたりすることができます。

エンディングノートに気持ちを書いておくことで、残された家族の判断を助けることにもなりますのでおすすめします。

「高級介護施設とは」まとめ

高級な介護施設でもある有料老人ホームは、どこをみても医療や介護体制が整備されています。さらに、毎日楽しめる食へのこだわり、旅行イベント、身の回りの世話など、入居者ひとりひとりの生活の質を高めるための充実したサービスがそろっています。

サービス面での個別対応や品質の高さが、費用が高くなる要因のようです。

公的な特別養護老人ホームは費用面では入居しやすい介護施設ですが、入居条件が厳しく、介護サービスを受けるには一定の要件が必要となります。

有料老人ホームなら、体験入所で自分に合った施設を探すことができ、納得できる終身利用も可能です。

公的な介護施設だけでなく、有料老人ホームを検討すれば、我慢しなくても良い、質の高い介護サービスを受けることも可能になります。

高級な介護施設に興味のある方はこちらの記事も参考にしてみてください。

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