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投稿日:2017年07月28日 更新日:2021年03月30日
ゆーすけ |片付け部編集長
片付けが好きで、妻を巻き込んで毎週断捨離を行っています。仕事でも遺品整理、ゴミ屋敷、生前整理、不用品回収、特殊清掃の現場に行き、プロの技を学んでいます。片付けをしたい方にとって有益な情報をお伝えいきたいと思っています。
一般的にデイサービスと呼ばれ、高齢者の生活に浸透してきた通所介護施設。介護が必要となった高齢者にとって、常に自宅でサポートを受けながら生活する事で、心の充足感を失っていく方もいるでしょう。
また、介護する家族側も、日々大変な仕事や家事に介護も加わって、心身共に疲労を伴います。通所介護施設を利用する事は、介護する側にもされる側にもプラスになるのです。
通所介護施設とは、一体どんな施設で、何がプラスになるのか。また今回は、現在需要の高まっている通所介護施設について、開業したい方の目線からも見ながら、基本情報をまとめていきたいと思います。
通所介護施設について知りたい方や探したい方だけでなく、これから開業を考えている方も、参考にしてみて下さい。
通所介護施設は、要介護1~5の認定を受けた方が利用できます。
要支援1~2の認定を受けていれば利用できる場合もありますが、要介護にならない為の予防サービスであったり、週1回の利用に限られたりなど、要介護者との利用施設条件が違う場合もあるので、地域包括支援センターに相談してみましょう。
通所介護を利用すると、通所介護施設までの送迎があります。
施設到着後は、看護師による身体の健康チェックが行われ、生活面では昼食を食べたり、サポートを受けながら入浴をしたりする事もできます。
施設でのその他の時間は、歩行などの機能訓練の時間や、工作を行う趣味の時間、体を動かすレクリエーションの時間があります。
【一日のスケジュール】
08:30 | 自宅へお迎え |
10:00 | 施設到着し、健康チェック 入浴 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | レクリエーション 機能訓練 |
17:00 | 送迎車によって帰宅 |
親や祖父母の介護が始まると、その家族は仕事や日々の生活の時間を介護に充てる生活が日常になります。介護には休みがないので、家族の疲労も重なっていく事でしょう。
通所介護施設を利用すれば、朝から夕方まで、食事や入浴の介護を施設に任せる事ができ、家族の介護負担が減少します。
介護が必要になると、今までの生活とは一変し、自由に外出する事も困難になります。
送迎のある通所介護施設を利用すれば、介護されながらでも家以外で過ごす時間が自動的に増えていきます。
同年代の仲間と、施設内で趣味の活動を行ったり、唄ったり体操したりという時間を楽しむ事で、介護される為だけに通所介護施設に通うという感覚ではなくなります。
介護が必要な高齢者は、身体的な理由だけでなく、精神的にもふさぎこみ、ひきこもりからうつ病を発症する方もいます。
特にひとり暮らしの高齢者の場合は、マイナス思考や自暴自棄になり、外部との繋がりをシャットアウトしてしまう可能性があります。
通所介護施設に通う事は、そういった高齢者の為の、心のケアにもなるのです。特に、介護が必要であるという同じ悩みを持った仲間や、気持ちを分かってくれる施設スタッフに出会えれば、孤独を感じる事もなくなるでしょう。
通所介護施設で社会性を身につけ、明るく楽しい時間をより多く過ごせる事も大切です。
通所介護施設を利用すると、自宅にいるだけよりも、より多くの人と交流する事ができるので、寂しさがありません。
高齢者の自宅暮らしは、引きこもりや寝たきり状態を引き起こしやすいという問題もありますが、通所介護なら送迎もあり、専門スタッフに任せられるので安心感もあります。
また老人ホームのように数万円の月額施設費用や数千万円という高額な入居一時金もかからず、施設にかかる費用も抑えられます。
通所介護施設に通いだしたら、精神面のチェックが必要です。
多くの仲間と過ごす時間で寂しさは軽減されますが、人によっては「自分はできないのに、あの人はできている」と、自分と他人を比較してしまし、更に落ち込んでしまう人もいる為です。
また、得意なレクリエーションがなかったり、スタッフや介護環境が合わなかったり、利用者のストレスに感じてしまう事が起きた場合も、周囲の人間が気づかなければいけません。
「通所介護施設に通っているから大丈夫」と、思い込まず、家族が「通所介護施設での時間はどう?」と、問いかけられるような意識をする事も大切です。
通所介護施設を利用するには、介護認定を受ける事が前提です。介護認定は、住んでいる市区町村の担当窓口に申請し、訪問調査や医師からの意見書等によって、約一か月かけて介護度が判定されます。
要介護と判断されたら、通所介護施設を利用したい事を、ケアマネージャーに相談しましょう。
その後、週何回どんなサービスを利用するかなど、ケアプランが作成され、通所介護施設見学や利用体験を行い、通所介護施設スタッフとの面談を経て、利用する通所介護施設が決定します。
通所介護の利用料金は、介護度によって変わります。
また、通所介護施設によって異なりますが、目安としては以下のようになっています。
施設滞在時間 | 利用料 |
---|---|
3~5時間 | 500~1,000円 |
5~7時間 | 700~1,200円 |
7~9時間 | 800~1,500円 |
通所介護施設の利用料は介護保険適用となる為、利用者は1割負担です。一定以上の所得がある世帯では、2割負担になるので、上記の表の約2倍になります。
また、介護認定を受けて要支援1・2の方が利用する事のできる通所介護施設の場合、サービス料自体3倍以上となる為、利用者負担額も大きくなります。
加えて、上記の施設利用料の他に、おやつ代が1回500~700円、使用した分のおむつ代、個別レクリエーション費用、遠方送迎費用等、通所介護施設によって異なる料金が加算されます。
通所介護施設利用前に、どんな施設サービスを利用すると何に料金が発生するのか、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、しっかり確認しましょう。
ここからは、高齢化社会により需要の高まる通所介護施設を、開業したい方の為の基本情報をまとめていきます。
介護保険適用により、国からの介護報酬を受ける通所介護施設は、厚生労働省が決めた基準や施設区分など、通所介護施設としての指定を受ける為に、施設開業前に知っておきたい知識がたくさんあります。
今回は、特に理解しておきたい通所介護施設開業基準を中心に調査してみました。
通所介護施設では、介護報酬(国から通所介護施設へ支払われる介護サービス料のようなもの)が、前年の通所介護施設利用者数によって設定されています。
利用者は介護報酬を基準にして、その1~2割負担が通所介護施設利用料になるので、規模が大きくなると施設利用料も上がります。
通所介護施設区分は以下のように分けられている事を覚えておきましょう。
施設区分 | 前年度1月の平均利用人数 |
---|---|
大規模型事業所(2) | 901人以上 |
大規模型事業所(1) | 751人~900人 |
通常規模型事業所 | 301人~750人 |
小規模型事業所 | 300人以内 |
中でも、近年見直された小規模型事業所は、大規模・通常規模型事業所の出張所のような事業で、サテライト型事業所と施設区分されています。
更に、施設定員18人以下の小規模型事業所は、今までの都道府県管轄から市区町村管轄になり、地域密着型通所介護施設にサービス移行されました。
これによって、施設で本当に必要な介護サービスが提供できているのか、適正な介護報酬か等を判断するという目的があるようです。
専ら職務に従事する施設常勤の者。規模に関わらず、各通所介護施設で1名以上必要です。
特に決められた資格が要るわけではありませんが、勤務中は通所介護施設の業務以外を行う事はできません。
しかし、管理者になった場合は、生活相談員や機能訓練相談員など、他の職務との兼任が可能です。
通所介護施設には、毎日1名以上の生活相談員が施設に常勤している必要があります。
生活相談員は、高齢者の自立に向けてより豊かな生活ができるよう、困った事があれば相談にのる事ができる役割を持ちます。
社会福祉系の短大・大学卒業者など、社会福祉士、介護福祉士の資格が必要で、地域によっては資格保有者と同等の経験がある人など、条件があります。
看護職員とは看護師や准看護師資格の保有者で、こちらも各通所介護施設に1名以上必要です。
ただし、管理者や生活相談員と違い、施設常勤でなくても良い場合があります。健康チェックや入浴の時間帯のみ勤務し、その他の時間は施設に看護士不在でも問題ありません。
代わりに、不在時でも対応できるよう、同じ敷地内の別施設に看護職員がいて、いつでも通所介護施設で勤務できるよう、サービス連携が整っている場合に限ります。
看護職員は常勤でなくてもよいのですが、何かあった時はすぐに来られる状態なら大丈夫です、という事ですね。
通所介護施設で一番多いスタッフが介護職員と言えるでしょう。介護職員は、施設利用者が15人以内なら1名勤務でよいのですが、15名を超えた時点でプラス1名必要です。
更に5名増えるごとに1名の介護職員が必要となります。必要資格は特にないので、20代から50代まで様々な介護職員がいます。
各通所介護施設に1名必要な機能訓練指導員ですが、機能訓練指導士という資格があるわけではありません。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、看護師、准看護師、のいずれかの資格を持っていれば、機能訓練指導士として職務に就くことができます。
主に、介護が必要な方に対して、日常生活を送れるよう訓練し、サポートしていく役割を持ちます。リハビリテーションの専門家というポジションです。
以上、通所介護施設開業に必要な職務を5種類ご紹介しました。
これらは基本ではありますが、通所介護施設の指定を受ける為には、開業地域によって様々な違いがある可能性もあります。
今回ご紹介した職務を基準に、詳細は必ず地域の管轄窓口に確認しましょう。
食事を行う場所と機能訓練室(リハビリ室)は兼用しても構いません。ただし、1名に対して3平方メートルが必要なので、10名利用の場合は30平方メートルなど、広いスペースが必要です。
これは、1名用の部屋を複数用意する事では基準を満たせないので、施設利用人数に合わせた大部屋を設置する必要があります。
事務室には面積の規定はありません。ただし、事務室としての専用の空間が必要です。
机や椅子がある事や、書類や備品を保管できる場所として、部屋の一角を仕切った状態でも事務室として認められます。
相談室は、通所介護施設利用者や、時には施設スタッフの相談場所として利用する事もあるでしょう。相談者のプライバシーを守る為にも、個室である事が望ましいです。
しかし、通所介護施設の面積基準としての規定はなく、椅子と机の設置が必要となるのみです。
また、相談内容が漏洩する可能性があるので、好ましくはありませんが、部屋の一角を仕切って相談室する事も可能です。
施設利用人数に対して適切な広さである事が好ましいですが、通所介護施設としての面積の規定はありません。専用のベッドが設置してあることが条件で、設置台数も1~2台と規定される場合があります。
施設の静養室の場所は機能訓練室から目の届く場所にある事が望ましいです。
車イスや介助しながらでも利用できる広さと設備を整え、各通所介護施設1か所以上~複数の設置が必要です。
施設で入浴サービスを行う場合は、手すりのついた浴室と介助を考えて設置された脱衣所が必要です。
通所介護施設利用者は要介護認定者である事を念頭に置き、基本的に施設はバリアフリー、手すりの設置が必要です。また、利用者がスタッフの目に触れなくなる施設内のトイレなどには、緊急呼び出しボタン等の設置をし、安全面にも配慮しましょう。
その他、通所介護施設には機能訓練に必要な器具や、利用者の送迎に使う、車イスの乗降も可能な車が必要になります。更に、消防法に基づき、火災の早期発見や通報、初期消火や安全に避難させる為に、施設面積ごとに消火器や火災報知器の設置も義務づけられています。
特に避難に時間のかかる高齢者の為の通所介護施設ですから、防災の意識は高く持つ必要があります。
新築で通所介護施設を開業する場合は、建築士による安全検査を受けている証明として、建築基準法7条5項の検査済証の発行を受ける必要があります。
元々通所介護施設ではなかった民家や建物を通所介護施設として改修する場合、100平方メートル以上では用途変更の手続きが必要になります。
しかし現状は古い建物であると、新築時に検査済証の発行がされていない場合も多く、用途変更したくてもできないというパターンも多いようです。
検査済証の発行がなければ、過去に耐震偽装があった事もあり、安心できる安全な建物であるという保証もないという事です。
このような背景から、用途変更の不要な100平方メートル以下の施設に適した建物を探し、改修して通所介護施設にするという方も多いようです。
現代は、高齢者の生活スタイルも様々です。それ故に、介護施設の種類も住居のような高齢者専用マンションから、介護を受けながら生活する有料老人ホームまで、利用者が選べる時代。
その中でも通所介護施設は、通う事で身体的な介護だけでなく、高齢者の心のケアまで可能になる素晴らしい介護施設だと思います。
通所介護の最大の魅力は、基本は在宅ベースで、介護度に合わせて通えるスタイルです。
これによって、ずっと施設に入ってしまうのは家族も心配だけど、毎日の介護負担は軽くしたいという家族の思いも叶います。
これから通所介護施設を利用する方は、しっかりと施設の体験をして、自分に合った施設を選び、これから通所介護施設を開業する方は、時代のニーズに合わせたサービスを提供できるようになると、より良い社会になっていく事でしょう。
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